食の未来を創造する25の食材!大阪・関西万博で発表される「EARTH FOODS 25」コンセプト料理
2025年大阪・関西万博のシグネチャーパビリオン「EARTH MART」では、地球の食の未来をより良くするための日本発の食文化やアイデアを共有するリスト「EARTH FOODS 25」をテーマに、未来へ向かう新しい価値を提案するコンセプト料理が展示されます。
「EARTH MART」は、小山薫堂氏がテーマ事業プロデューサーを務め、食といのちの循環に触れ、未来へのヒントと出会える空想のスーパーマーケットをコンセプトとしています。
「EARTH FOODS 25」は、日本の食文化から厳選された25種類の食材をリスト化し、その価値を国内外に発信することで、地球の食の未来をより良くするためのアイデアを共有することを目指しています。
今回のプロジェクトでは、豊かな創造力と個性あふれる5名の気鋭の料理人が参加し、それぞれの担当食材を用いて新しいコンセプト料理を開発しました。
参加する料理人5名
- リオネル・ベカ氏(ESqUISSE エグゼクティブシェフ)
- サンティアゴ・フェルナンデス氏(MAZ ヘッドシェフ)
- 石坂 秀威氏(SEA VEGETABLE 料理開発担当/シェフ)
- 加藤 峰子氏(FARO シェフパティシエ)
- 桑木野 恵子氏(里山十帖 料理長)
「EARTH FOODS 25」担当食材
各料理人が担当する食材は以下の通りです。
- リオネル・ベカ:14. 椎茸・干し椎茸、18. 寒天、19. ふぐ、20. すり身、21. 鰹節
- サンティアゴ・フェルナンデス:4. 高野豆腐、6. 大根、7. わさび、13. 梅干し、16. わかめ
- 石坂 秀威:3. 豆乳、15. 昆布、17. 海苔、22. 麹・種麹、24. しょうゆ・みそ
- 加藤 峰子:1. 米粉、5. あんこ、11. 抹茶、12. 香酸かんきつ、23. 日本酒・本みりん
- 桑木野 恵子:2. 餅、8. 山椒、9. かんぴょう、10. こんにゃく、25. 野菜の漬物
料理人選定の理由
「EARTH FOODS 25」は、既存のジャンルやスタイルを飛び越えて、料理を通して未来へ向かう新しい価値を提案できる料理人として、個性あふれる気鋭の料理人5名を選定しました。
「EARTH FOODS 25」コンセプト料理
5名の料理人がそれぞれ5皿ずつ、合計25皿のコンセプト料理を開発しました。
料理人プロフィール
リオネル・ベカ
フランス、コルシカ生まれ。「メゾン・トロワグロ」でスーシェフを務めた後2006年「キュイジーヌ [s] ミッシェル・トロワグロ」のシェフとして来日。2012年、ESqUISSEエグゼクティブシェフに就任。ミシュランガイド東京2013より継続して二つ星の評価を受ける。2021年、「エスキスの料理 インスピレーションから創造する料理の考え方」を発刊する。
サンティアゴ・フェルナンデス
ベネズエラ生まれ。スペインの4年制料理専門大学「バスク・クリナリーセンター」でガストロノミー・料理学の学士号を取得後、ペルーのレストランCENTRALに加わり、5年間クリエイティブプログラムを担当。2022年日本に移り、MAZのヘッドシェフに就任。2023年、ミシュラン東京にて最年少で2つ星を獲得。
石坂 秀威
シドニー出身。オーストラリアのU30の料理コンテストで優勝後、2018年東京にオープンしてからわずか1年で2つ星を獲得した「INUA」でスーシェフとして料理開発を担当。その後「シーベジタブル」と出会い、これまでに社内のテストキッチンで100種類以上の海藻と向き合いながら、料理業界でも知られていない海藻の食材としての可能性を発信してきた。
加藤 峰子
東京都生まれ。デザイン、美術、現代アートやモノづくりに興味を持ち、食の分野からパン・お菓子の道を選び進む。約 10年間、「イル ルオゴ ディ アイモ エ ナディア」「イル・マルケジーノ」「マンダリンオリエンタルミラノ」(ミラノ)、「オステリア・フランチェスカーナ」(モデナ)など、イタリアの名立たるミシュラン星獲得店にてペイストリーシェフを勤める。「エノテカ・ピンキオーリ」(フィレンツェ)のチョコレート部門を経験。「ファロ」では、日本の自然や和のハーブをリスペクトしたデザートを提案。
桑木野 恵子
埼玉県出身。「里山十帖」料理長。オーストラリア、インドなど世界各地を巡りアーユルヴェーダの哲学や食、ハーブ、スパイスについて学ぶ。2020年「ミシュランガイド新潟 2020 特別版」で一つ星を獲得。ゴ・エ・ミヨ 2022年「テロワール賞」、2023年野菜のレストランガイド「We’re smart green guide」にて世界13位、Best Leady Vegetable chefs 授賞。
料理人コメント
リオネル・ベカ
万博は、調和のある暮らし、利他的な心、好奇心、夢や発明など、人類が願うBESTを発表する場です。今回EARTH FOODS 25を通して、未来のヴィジョンを料理で表現できることは大きなチャンスであり、豊かでおいしい日本のテロワールを世界に発信することは私たちの誇りです。
サンティアゴ・フェルナンデス
私はいつも日本の豊かな自然と食文化に魅了されてきました。2年前に日本に来て以来、私は日本から学び、その食材を尊敬の念を持って扱ってきました。同時に、日本の文化に外部の考え方を吹き込み、創造的なビジョンと組み合わせることで何が達成できるのか、新しく革新的な視点を持ち込めたらと思っています。
石坂 秀威
日本の食文化は多様で豊かですが、その中から厳選して25種類の食材に絞られたこのような食材を通じて、日本の食文化の魅力を万博のような場で伝えられること、そしてその役割を担う料理人の一人として選ばれたことを光栄に思います。一つ一つの食材が持つ魅力や大切さを、広く世の中に共有できる機会に恵まれ、心から感謝しております。
加藤 峰子
これからは世界のフードシステムの歪みを10年で解消するための仕組みを考え、一緒に解決していくことを最優先しなければなりません。それは、地球にある食物に感謝しながら、自由な発想で組み合わせて料理し 新たな食文化を創造すること。新たな価値を創造伝達し表現すること、また日本各地の残さなければならない伝統文化や、日本が世界に誇れる美意識 、テクノロジーの革新とともに、食べる楽しみをアップデートすること。そして未来に向かい、食から人の幸せを生み、食から社会課題に向かい、食から世界を変えること。そんな希望に満ちたことかもしれません。
桑木野 恵子
私たちは昔から稲作を軸に季節を過ごし、自然とともに生きる文化や伝統を育んできました。山の中で料理と向き合っていると、人は自然によって生かされているのだとつくづく感じます。先人の叡智を学ぶ事、自然に謙虚である事、他を受け入れる寛容性が、地球の食の未来を良くするために大切な事ではないかと思っています。
EARTH MARTプロデューサー コメント
小山 薫堂
万博は未来を具現化して見せるパビリオンが多いと思いますが、私のパビリオン「EARTH MART」は未来に向かうために立ち止まり、過去の中に未来の希望を見つけるような展示にしたいと考えています。「EARTH FOODS 25」はまさにその一環で、私たちが慣れ親しんできた食材・食品を見つめ直すことで、未来に向かって新しい可能性が見出せるのではないでしょうか。このプロジェクトにおいて、クリエイティブな5名の料理人の方々に参加していただくことができました。個性あふれる5名の感性によって見慣れた食材がどのような未来の料理に生まれ変わるのか、ぜひ万博会場でご覧ください。
「EARTH FOODS 25」について
日本の食文化は、「地球との共生」と「食の知恵・技術」の集積です。豊かな海洋国家として、昔から受け継がれてきた「海藻文化」と「発酵文化」があり、そこには多くの知恵や技術の集積があり、菜食・発酵・健康が結びついた食の自然観をもっています。この日本がもつ食の価値・本質を再定義し、そのアイデアやヒントを世界に共有することで、食文化発展や環境問題解決への貢献につながることを目指しています。
「EARTH FOODS 25」リスト
- 米粉
- 餅
- 豆乳
- 高野豆腐
- あんこ
- 大根
- わさび
- 山椒
- かんぴょう
- こんにゃく
- 抹茶
- ゆず
- 梅干し
- 椎茸・干し椎茸
- 昆布
- わかめ
- 海苔
- 寒天
- ふぐ
- すり身
- 鰹節
- 麹・麹種
- 日本酒・本みりん
- しょうゆ・みそ
- 野菜の漬物
「EARTH FOODS 25」をテーマとした展示コーナー
「EARTH MART」では、「EARTH FOODS 25のコンセプト料理」の他、「EARTH FOODS 25のパッケージデザイン」を一般公募して選定したものを展示いたします。
「EARTH MART」について
シグネチャーパビリオン「EARTH MART」は、食といのちの循環に触れ、未来へのヒントと出会う空想のスーパーマーケットです。まるでスーパーマーケットで買い物するような感覚でワクワクしながら、これまで当たり前だと思っていたことをリセットし、新しい食べ方と向き合う様々な体験が散りばめられています。伝統、文化、社会課題、テクノロジー・・・食の現在をニュートラルに見つめ直し、食べることの喜びと、私たちが次の時代にいのちをつむいでゆくヒントを探す旅に誘います。
株式会社オレンジ・アンド・パートナーズについて
株式会社オレンジ・アンド・パートナーズは、2006年9月に設立されたサービス業の会社です。本社は東京都港区麻布台にあり、小山薫堂氏が代表を務めています。
まとめ
2025年大阪・関西万博のシグネチャーパビリオン「EARTH MART」では、地球の食の未来をより良くするための日本発の食文化やアイデアを共有するリスト「EARTH FOODS 25」をテーマに、未来へ向かう新しい価値を提案するコンセプト料理が展示されます。5名の気鋭の料理人が、それぞれの担当食材を用いて開発した25皿のコンセプト料理は必見です。
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