SkyDriveとOsaka Metro、ポスト万博に向けた空飛ぶクルマ「大阪ダイヤモンドルート構想」を発表
2024年12月17日、株式会社SkyDriveと大阪市高速電気軌道株式会社(Osaka Metro)は、「大阪ラウンドテーブル」において、ポスト万博に向けた空飛ぶクルマの社会実装を見据えた「大阪ダイヤモンドルート構想」を発表しました。
この構想は、市場調査等を踏まえ、「新大阪・梅田」「森之宮」「天王寺・阿倍野」「ベイエリア」の4つのエリアを重要エリアとして選定し、これらを結ぶルートを構築するというものです。
SkyDriveは、「100年に一度のモビリティ革命を牽引する」をミッションに、軽量で3人乗りの空飛ぶクルマを開発しています。一方、Osaka Metroは、地下鉄およびニュートラムを9路線運営し、「e METRO」という都市型MaaS構想を推進しており、新たな移動手段として空飛ぶクルマを視野に入れています。
両社の業務提携は2024年8月に締結され、Osaka Metroは同年10月に「空飛ぶクルマ推進室」を社長直下に設置しました。以来、両社はニーズ調査や離着陸場候補地等の検討を重ね、今回の構想発表に至っています。
大阪ダイヤモンドルート構想のポイント
本構想では、大阪の美しい景観を楽しめるポイントや、主要観光地へのアクセスがスムーズな4つのエリアを厳選しています。空飛ぶクルマの利用により、パーソナルな空間で空からの眺めを楽しめる、移動時間そのものが特別な体験となることを目指しています。
今後の展開
SkyDriveとOsaka Metroは、このルート構想の実現に向けて、国や大阪府市、関係機関、事業パートナーと協議・連携を深めていきます。離着陸場設置場所の確定など、必要な検討を進め、大阪近郊、関西エリアへの段階的な展開を図り、空の移動という新たな価値創造と地域の魅力向上に貢献することを目指しています。
サービス開始時期
まずは、2028年を目途に森之宮エリアでのサービス開始を目指し、2030年以降に向けてサービスの順次拡大を検討しています。
関係各社の概要
株式会社SkyDrive
2018年7月設立。愛知県豊田市に本社を置く。「空飛ぶクルマ」の開発およびドローン関連サービスを提供。2020年に日本で初めて公開有人飛行試験に成功。現在3人乗りの機体を開発中で、スズキ株式会社との連携により、2024年3月より製造を開始。2026年を目標に型式証明取得を目指している。
大阪市高速電気軌道株式会社(Osaka Metro)
2018年4月1日設立。大阪府大阪市に本社を置く。大阪都心部を網の目状に走る9路線の地下鉄ネットワークを運営。都市型MaaS構想「e METRO」を推進している。
注釈
※1 空飛ぶクルマとは:電動化、自動化といった航空技術や垂直離着陸などの運航形態によって実現される、利用しやすく持続可能な次世代の空の移動手段です。諸外国では、Advanced Air Mobility(AAM)や Urban Air Mobility(UAM)と呼ばれています。
※2 大阪ラウンドテーブルとは:「空の移動革命社会実装大阪ラウンドテーブル」が正式名で、2025年大阪・関西万博をひとつのマイルストーンとして、関係者間で精力的に協議や実証実験を重ね、国の官民協議会の議論に資する具体的な提案を行うほか、様々なステークホルダーと連携して、社会受容性の向上を図るなど、空飛ぶクルマの実現に向けた取組みを加速させていくことを期して、具体的かつ実践的な協議・活動の核となるものとして設立されました。
※3 Osaka Metroとの業務提携に関するプレスリリースは、SkyDriveのウェブサイトで確認できます。
まとめ
SkyDriveとOsaka Metroによる「大阪ダイヤモンドルート構想」は、2025年大阪・関西万博後の大阪における空飛ぶクルマの社会実装に向けた重要な一歩です。関係各社の連携と、国や地方自治体の協力により、この構想が実現し、新たな観光体験や都市交通の未来を切り開くことが期待されます。
