大阪・関西万博の最寄り駅「夢洲駅」の膜屋根:2025年完成
2025年1月19日、大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)中央線「夢洲駅」が開業しました。これは、2025年4月13日開幕の大阪・関西万博の最寄り駅であり、その玄関口としての役割を担います。 夢洲駅の特徴の一つとして、太陽工業株式会社が施工を手掛けた膜屋根が挙げられます。
太陽工業株式会社は、大型膜面構造物、土木・物流資材などを扱う企業です。同社は、夢洲駅の膜屋根の設計、加工、施工を受注しました。駅のコンコース及び改札口上部に架けられたこの膜屋根は、来場者に明るく開放的な空間を提供することを目的としています。約55メートル幅の国内最大級の大型サイネージや光のゲートによる演出も施され、万博来場者を迎えます。
採用された膜屋根の素材はPTFE膜です。太陽工業は、同社の膜構造施工実績、膜の安全性、軽さ、高い耐久性を評価され、このプロジェクトに選定されました。PTFE膜は、表面処理に酸化チタン光触媒を採用しており、高い防汚性を誇ります。酸化チタン光触媒は太陽光(紫外線)を吸収して有機物を酸化分解する機能を持ち、有機汚れを分解し、雨水で洗い流すことで、白い外観を長期にわたり保ちます。また、親水性機能により水滴が横に拡がり水膜を形成することで、雨水が膜材と汚れの間に入り込み、汚れを浮き上がらせて洗い流します。
夢洲駅は地下2階構造(地下1階:コンコース、地下2階:ホーム)で、地下1階からの出入口部分が吹き抜け構造になっています。地上部分は全長にわたり膜屋根で覆われています。駅は万博の北東エリアに位置し、来場者は夢洲駅から東ゲートを通じて万博会場に入場します。JR大阪駅や大阪メトロ御堂筋線の梅田駅から乗り換えを含めて30分以内で到着でき、万博期間中は1日13万人以上の利用者を想定しています。
夢洲駅の概要は以下の通りです。
- 構造: 地下2階構造(地下1階:コンコース、地下2階:ホーム)
- コンコース通路幅: 17メートル
- 改札数(大阪・関西万博開催時): 16基
- ホーム延長: 160メートル
- ホーム幅(最大): 10メートル
夢洲駅膜構造の概要は以下の通りです。
- 物件名: 夢洲駅南東出入口新築工事
- 施主: 大阪港湾局
- 元請け: 株式会社 中道組
- 設計: 中央復建コンサルタンツ株式会社、株式会社安井建築設計事務所
- 規模: 66.2m x 25.5m x 9.5m(最大高さ)
- 施工範囲: 柱鉄骨、膜下地鉄骨、膜材、軒樋、竪樋
- 膜材料: AP450
- 膜材表面積: 1744㎡
- 工期: 2024年6月~12月
太陽工業株式会社は、経済性、施工性、透光性、デザイン性に優れた大型膜面構造物のリーディングカンパニーとして、「膜の無限の可能性を引き出し、お客さまに感動と快適な環境をお届けします。」という企業理念のもと、事業を展開しています。軽くて丈夫な素材の特性を活かし、建築事業をはじめ、土木、物流、環境分野など幅広い分野で社会に貢献しています。
本記事は、太陽工業株式会社が発表したプレスリリースに基づいて作成されています。


