大阪・関西万博2025：IOWN APNを活用した革新的リモートプロダクションを実現

2025年4月～10月開催の大阪・関西万博において、パナソニックコネクト株式会社（以下、パナソニックコネクト）は、西日本電信電話株式会社（以下、NTT西日本）が提供する「All-Photonics Connect powered by IOWN」（以下、All-Photonics Connect）を活用したリモートプロダクションに、「KAIROS オンプレミス」を提供し、在阪放送局による共同利用が実現しました。

従来の映像制作における課題

従来の中継を伴う映像制作では、中継先に多数の機材と人員を配置する必要があり、中継車の維持管理、機材の手配、スタッフの派遣など、多大なコストと手間がかかっていました。加えて、映像・音声技術者の慢性的な不足も深刻な課題でした。これらの問題を解決するため、ワークフローの効率化や、場所や時間に縛られない柔軟な働き方が求められており、リモートプロダクションや機材の集約化へのニーズが高まっていました。

パナソニックコネクトのソリューション：KAIROS オンプレミス

パナソニックコネクトは、進化を続ける映像制作ソリューション「IT/IPプラットフォーム KAIROS」を用いたリモートプロダクションとリソースシェアによるワークフロー改革を推進しています。特に「KAIROS オンプレミス」は、国際的なスポーツ大会や放送局、映像制作・配信現場などで実績があり、映像クオリティの向上に加え、機材の省力化、準備・設営時間の短縮による業務効率化に貢献しています。約60年以上にわたる映像制作事業で培ってきたノウハウを活かし、リモートプロダクションの更なる普及を目指しています。

大阪・関西万博での取り組み：IOWN APNとKAIROSの連携

本取り組みでは、NTT西日本グループのデータセンターにスイッチャーとしてメインフレームKairos Core 200（AT-KC200T）を設置。データセンター、万博会場、放送局をAll-Photonics Connectで接続することで、リモートプロダクション環境を実現しました。

万博会場で撮影された映像・音声を、All-Photonics Connectを介してMoIP（Media Over IP）でKairos Coreに集約。放送局のオペレーターは、Kairos Coreが生成するマルチビューを見ながら放送局内でオペレーションを行うことができます。これにより、従来の同一拠点内での番組制作と同等の操作性と効率性を目指しています。

システム概要

All-Photonics Connectによる高速大容量・低遅延の通信環境を活用し、ベニュー（万博会場）からカメラ映像を非圧縮でリアルタイム伝送。
データセンターに設置された同期信号発生器（PTPグランドマスター）から、ベニューと放送局の機器へ同期信号（PTP）を伝送。
Kairos Coreから放送局へマルチビューとプログラム映像を伝送。
放送局のオペレーターは、Kairos Controlを用いて映像切替を実施。
ベニューのカメラ等の機器へタリーとリターン映像を伝送。

All-Photonics Connectについて

All-Photonics Connectは、通信ネットワークの全区間で光波長を専有することで、高速・大容量、低遅延・ゆらぎのないNTTグループの新しいネットワークサービスです。

リモートプロダクションとリソースシェア

リモートプロダクションとは、中継先と制作拠点をIPネットワークで接続し、番組を制作する手法です。リソースシェアとは、同一の機材や素材を複数の拠点で共有して番組制作を行うことです。

パナソニックコネクトについて

パナソニックコネクトは、パナソニックグループの一員として、放送・業務用映像システムなど幅広いソリューションを提供しています。

本取り組みによる効果

本取り組みは、人手不足やコスト削減といった課題解決に貢献するだけでなく、より柔軟で効率的な映像制作ワークフローの実現に繋がることが期待されます。大阪・関西万博という大規模イベントでの実証を通じて、今後のリモートプロダクションの普及促進に大きく寄与するものと期待されています。

問い合わせ先

パナソニックシステムお客様ご相談センター

フリーダイヤル：0120-878-410

受付：9時～17時30分（土・日・祝日は受付のみ）

まとめ

2025年の大阪・関西万博では、パナソニックコネクトが提供するKAIROS オンプレミスとNTT西日本のAll-Photonics Connectによる革新的なリモートプロダクションシステムが実現しました。これは、映像制作における効率性と柔軟性を飛躍的に向上させる取り組みであり、今後の放送業界に大きな影響を与える可能性を秘めています。