2025年 大阪・関西万博 パナソニックグループパビリオン「ノモの国」資源循環型のパビリオン建築を実現
パナソニック ホールディングス株式会社は、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)のパナソニックグループパビリオン「ノモの国」を、資源循環型の建築として実現しました。「ノモの国」は、「物と心が共に豊かな理想の社会」の実現を目指し、長期環境ビジョン「Panasonic GREEN IMPACT」に基づいた取り組みの一環として建設されました。
本パビリオンの建築においては、「3つの循環で生まれるパビリオン」をテーマに、使用済み家電から回収したリサイクル材料、パナソニックグループの工場から出る端材・廃材、そして同グループが開発した廃材を使った製品が積極的に採用されています。万博終了後も、使用済み材料を循環スキームに戻すことで、博覧会協会が目標とする98.1%(重量ベース)のリサイクル率の実現を目指しています。
1. 使用済み家電から回収したリサイクル材料の活用
パナソニックグループの家電リサイクル工場では、「商品から商品へ」をコンセプトに、使用済み家電から高効率・高純度の材料を回収し、様々な協力企業と連携して資源(樹脂・非鉄・鉄等)を製品に再利用する資源循環スキームを構築しています。「ノモの国」の建築においては、このスキームを活用し、家電リサイクル工場から回収された鉄、ガラス、銅などの材料を用いた建築部材が積極的に採用されています。
●リサイクル鉄の取り組み
2013年より東京製鐵株式会社と連携し、家電リサイクル工場から回収した鉄スクラップを製品材料の鉄として再利用する資源循環スキームを構築しています。「ノモの国」では、パビリオンで使用する鉄約118トン(付帯鉄骨、リース部分およびファサードを除く)の約82%、主な柱・梁(接合部のプレート等を除く)約98%にあたる97.1トンに、このリサイクル鉄が用いられています。万博終了後も、これらの鉄材は東京製鐵に戻され、パナソニックグループの製品等の材料として再利用されます。
●リサイクルガラスの取り組み
パビリオンの外構部の舗装ブロック(約749平方メートル)には、太平洋プレコン工業株式会社との協力のもと、ドラム式洗濯乾燥機約9,200台分のリサイクルガラスを使用して製造したインターロッキングブロック(廃ガラス含有率7%)が全面採用されています。これは、世界で初めてドラム式洗濯乾燥機のリサイクルガラスを使用したインターロッキングブロックの製造事例です。(2023年7月12日時点、パナソニック ホールディングス株式会社調べ) 万博終了後には、これらのブロックの新たな場所での活用が検討されています。
●リサイクル銅の取り組み
三菱マテリアル株式会社・住電HSTケーブル株式会社との協力のもと、パビリオンで使用する主要幹線ケーブルの銅約1.2トンに、使用済み家電のプリント基板から得られたリサイクル銅線が100%使用されています。万博終了後には、これらの銅線は回収され、リサイクルされます。
2. パナソニックグループの工場端材・廃材の活用
パナソニックグループは、「データ活用」、「二次利用エコシステム」、「クリエイターとの協業」という3つのアプローチにより、工場から出る端材のアップサイクルに取り組んでいます。このノウハウ・仕組みを活用し、システムキッチンなどの製造で使用する「人造大理石」やテレビに使用する「プリズムシート」などの端材・廃材を、「ノモの国」のパビリオン内の応接室などを中心に、内装や照明として活用しています。
3. パナソニックグループの環境に配慮した技術や製品の活用
パナソニック ハウジングソリューションズ株式会社のアブラヤシ廃材を活用した「PALM LOOP」や環境配慮型木質床材「サステナブルフロアー」など、資源循環を通じた社会課題の解決に貢献する製品も、「ノモの国」の内装に活用されています。「PALM LOOP」は応接室のブラインドや洗面所の自動ドアの扉面材として、「サステナブルフロアー」は応接室の床材として使用されています。
パビリオンのコンセプト
パナソニックグループパビリオン「ノモの国」のコンセプトは、“解き放て。こころと からだと じぶんと せかい。”です。人の営みと自然の営み、それぞれ360°の循環が作用し合ってひとめぐりする、いわば“720°の循環”の中で、子どもたちが“つながる世界の中の自分”と、“ソウゾウする力”に気づく体験を通じ、未来への希望を思い描けるようなパビリオンを目指しています。
まとめ
パナソニックグループは、「ノモの国」の建設を通じて、資源循環型社会の実現に大きく貢献しています。使用済み家電のリサイクル材料や工場の端材・廃材などを積極的に活用することで、環境負荷の低減と持続可能な社会への貢献を目指した取り組みは、今後の社会にも大きな影響を与えるでしょう。


