大阪・関西万博:スマートポールに革新的なフィルム型ペロブスカイト太陽電池を実装
2025年4月13日より開催されている大阪・関西万博において、革新的なエネルギー技術が導入されました。株式会社エイチ・アイ・エス(HIS)、Saule Technologies、フジプレアム株式会社の3社は連携し、日本ネットワークサポート株式会社が設置したスマートポールに、フィルム型ペロブスカイト太陽電池を提供・実装しました。これらのスマートポールは、「電力館 可能性のタマゴたち」建屋エントランス前に設置されています。
HISは、ポーランドのスタートアップ企業であるSaule Technologiesに2015年より出資しており、同社製品の日本・アジアにおける独占販売権を有しています。Saule Technologiesは、ペロブスカイト太陽電池の開発において世界をリードする企業です。2021年には、ペロブスカイト太陽電池セルの専用製造ラインを世界で初めて完成させ、生産を開始しています。
今回のプロジェクトでは、Saule Technologiesの開発技術を活用し、従来のフラット型ではなく、スマートポールの円筒形状に適応した曲面ペロブスカイト太陽電池モジュールが採用されました。 高い耐久性と長寿命化を実現するため、フジプレアム株式会社の独自の精密貼合技術による封止技術が導入されています。
このフィルム型ペロブスカイト太陽電池は、ペロブスカイト結晶構造を持つ化合物を発電層に用いた太陽電池です。太陽光だけでなく室内照明などからも発電でき、高い発電効率と軽量・柔軟性を備えています。これらの特性により、様々な設置場所への対応が可能となる汎用性の高さが特徴です。
スマートポールは、通信基地局やWi-Fi、カメラ、街路灯、デジタルサイネージなどを搭載した次世代多機能基盤です。特に自動運転支援や電動モビリティへの給電など、モビリティ分野での活用が期待されています。今回設置されたスマートポールには、IoT街路灯、フィルム型ペロブスカイト太陽電池、FDS(フレキシブル・デジタル・サイネージ)、人流解析用AIカメラ、スマートフォンワイヤレス充電器付ベンチなど、最先端技術が統合されています。
ペロブスカイト太陽電池の導入により、スマートポールは環境に配慮した設計のもと、デザイン性と機能性のさらなる向上が図られています。
HISは、2025年1月31日付けで大阪・関西万博におけるスポンサーシップのランクアップを行い、PRゴールドパートナーとして協賛しています。
設置概要
- 設置場所: 「電力館 可能性のタマゴたち」建屋エントランス前
- スマートポール構成: IoT街路灯、フィルム型ペロブスカイト太陽電池、FDS(フレキシブル・デジタル・サイネージ)、人流解析用AIカメラ、スマートフォンワイヤレス充電器付ベンチ
企業概要
- 株式会社エイチ・アイ・エス (HIS): 本社:東京都港区、代表取締役社長:矢田素史
- Saule Technologies: 本社:ポーランド ヴロツワフ、創業者兼最高技術責任者:オルガ・マリンキエヴィツ
- フジプレアム株式会社: 本社:兵庫県姫路市、代表取締役社長:松本倫長
- 株式会社日本ネットワークサポート: 本社:大阪府中央区、代表取締役社長:片岡正憲
この取り組みは、再生可能エネルギーの活用とスマートシティの実現に向けた重要な一歩と言えるでしょう。大阪・関西万博において、最先端技術がどのように活用され、未来社会の展望を示しているのか、注目が集まっています。
Saule Technologies概要
Saule Technologiesは、バレンシア大学にて物理学博士課程にあったオルガ・マリンキエヴィツが、ペロブスカイト由来の太陽電池を柔軟な薄いシートに塗布する手法を事業化するために、2014年創業しました。
