大阪・関西万博：自動運転バスの円滑な運行を支えた「ターゲットラインペイント」
2025年4月13日から10月13日まで開催された2025年日本国際博覧会（大阪・関西万博）では、来場者輸送を円滑に進めるため、自動運転バスが導入されました。その自動運転バスの安定走行を支えたのが、日本ペイント・インダストリアルコーティングス株式会社（本社：東京都品川区、代表取締役社長：加賀美 豊）が提供した自動運転用特殊塗料「ターゲットラインペイント」です。
万博会場へのアクセスには、EVバスによる3つの主要ルートが設定されました。JR新大阪駅・JR大阪駅・京阪中之島駅～万博会場、舞洲駐車場～万博会場、そして万博会場内の外周道路です。これらのルート、特に高速道路やトンネル内、夢洲と舞洲をつなぐ夢舞大橋、万博会場シンボルである大屋根リング下の道路などでは、GNSS（Global Navigation Satellite System）精度の低下やマップマッチングの適用が困難な箇所があり、車両の自己位置推定が難しいという課題がありました。
そこで、日本ペイント・インダストリアルコーティングス株式会社は、「ターゲットラインペイント」をこれらのルートに塗装することで、この課題の解決に貢献しました。「ターゲットラインペイント」は、自動運転車両に搭載されたLiDAR（ライダー）センサーで認識できる特殊塗料です。路面に塗装されたラインをセンサーが認識・追従することで、自動運転バスの安定した走行を可能にしています。
「ターゲットラインペイント」の導入メリットは、以下の通りです。
- 低コストでの導入とメンテナンス: 塗装するだけで自動運転用のインフラ整備が完了するため、比較的安価な費用で導入とメンテナンスが可能です。また、走行ルートの変更も容易です。
- GNSS精度低下やマップマッチング困難な環境への対応: GNSSが届きにくい場所やマップマッチングの適用が困難な環境でも、道路に塗装されたラインを認識して走行することで自動運転を支援します。
- 安全と景観への配慮: センサーの認識を可能にしながらも、目視では路面と同化する色を実現。道路の路面標示と誤認しにくいラインを形成することで、安全面と景観の両方に配慮しています。
これらのルートにおける自動運転バスの運行概要は以下の通りです。
ルート1：JR新大阪駅・JR大阪駅・京阪中之島駅～万博会場
- 内容: 淀川左岸線(2期)：レベル4相当、淀川左岸線(1期)海老江JCT～大開：レベル2
- 塗装区間: 淀川左岸線(2期)豊崎入口～阪神高速2号淀川左岸線大開IC付近
- 運行主体: 京阪バス株式会社、阪急バス株式会社(阪急観光バス株式会社)
- 自動運転システム: 先進モビリティ株式会社
ルート2：舞洲駐車場～万博会場
- 内容: 一部区間を自動運転レベル4で走行
- 塗装区間: 夢舞大橋上の区間
- 運行主体: 大阪市高速電気軌道株式会社(Osaka Metro)
- 自動運転システム: 先進モビリティ株式会社
ルート3：万博会場内の外周道路
- 塗装区間: 大屋根リング下の道路の一部区間
- 運行主体: 大阪市高速電気軌道株式会社(Osaka Metro)
2025年大阪・関西万博において、「ターゲットラインペイント」は、自動運転バスによる円滑な来場者輸送に貢献しました。日本ペイント・インダストリアルコーティングス株式会社は、今後も安心・安全な自動運転の実現を目指し、同製品の提案を強化していくとしています。 日本ペイントホールディングス株式会社は、日本を代表する塗料メーカーです。
