大阪・関西万博「いのちの遊び場 クラゲ館」に「転生オルガン」展示:パソコンリサイクルから生まれた都市鉱山アート
2025年、大阪・関西万博のシグネチャーパビリオン「いのちの遊び場 クラゲ館」に、ユニークな展示が登場します。リネットジャパングループ株式会社が、中島さち子プロデューサーと共に制作した「転生オルガン」です。これは、使用済パソコンの部品を再利用した、体験型の都市鉱山アートです。
使用済パソコンの部品から生まれた「転生オルガン」
「転生オルガン」は、日本国内の一般家庭から回収された使用済パソコンの部品を材料として制作されました。リネットジャパングループは、小型家電リサイクル法の大臣認定事業者として、全国700以上の自治体と連携協定を締結し、パソコンリサイクル事業を展開しています。回収されたパソコンはデータ消去の後、知的障がいのある従業員が中心となって手作業で分解され、資源として再利用されます。同社の再資源化率は98%に達し、ほとんどゴミが出ない処理を実現しています。これは、市町村によるごみ回収の再資源化率(約19.6%:環境省「日本の廃棄物処理令和4年度版」より抜粋)を大きく上回る数値です。
この高いリサイクル率は、障がい者雇用拡大にも貢献しています。国が定めた正しいルートでのパソコンリサイクル拡大は、環境と福祉が連携した取り組み(環福連携)の拡大を目指した、同社の重要な事業目標となっています。
「転生オルガン」は、この取り組みの一環として、使用済パソコンの部品に新たな価値を与える試みです。キーボード、メモリ、電子基板、CPU、モニター、ケーブルなど、多くの電子廃棄物がこの作品を構成しています。パイプオルガンを模したデザインですが、フットペダルを使って音を出す仕掛けになっており、手や足で演奏を楽しむことができます。
「いのちの循環」と「正しいリサイクル」を伝える展示
「転生オルガン」の展示を通して、来場者は「いのちの循環」や「パソコンリサイクルの重要性」について考える機会を得られます。日本国内では、多くの使用済パソコンが海外に輸出され、輸出先での環境汚染が国際問題となっている現状があります。「転生オルガン」は、この問題に対する意識を高め、正しいリサイクルの必要性を訴える役割も担っています。
五感をフル活用して、世代や性別を超えた多くの人が「転生オルガン」を演奏し、いのちの循環を感じることができるよう、工夫が凝らされています。
株式会社TASKOとの協働
「転生オルガン」の企画・製作は、ものづくりのおもしろさで社会を刺激する株式会社TASKO(神奈川県川崎市)との協働で行われました。
リネットジャパングループ株式会社について
リネットジャパングループ株式会社(東京証券取引所:3556)は、小型家電リサイクル事業、リユース事業、ソーシャルケア事業、海外HR事業を展開する企業です。小型家電リサイクル事業においては、パソコン・小型家電の回収とリサイクルを通じた知的障がいのある方の雇用創出に取り組んでいます。
まとめ
2025年大阪・関西万博の「いのちの遊び場 クラゲ館」で展示される「転生オルガン」は、使用済パソコンのリサイクルを通じて制作された、体験型の都市鉱山アートです。リネットジャパングループ株式会社と中島さち子プロデューサー、そして株式会社TASKOの協働により実現したこの作品は、環境問題と社会貢献を融合させた、万博ならではの貴重な展示となっています。 来場者は、この作品を通して、「いのちの循環」と「正しいパソコンリサイクル」について考える機会を得られるでしょう。

