ポルトガル、2025年大阪・関西万博で世界の海洋とブルーエコノミーの重要性発信
2025年4月9日、大阪で開催された2025年日本国際博覧会(EXPO 2025)において、ポルトガルは、世界の海洋が人類の未来にとって極めて重要であることを訴えました。ポルトガル投資貿易振興庁(AICEP)が推進するポルトガル・パビリオンでは、「海、青の対話(Ocean: The Blue Dialogue)」をテーマに、ポルトガルと海洋との歴史的なつながりを紹介し、持続可能な海洋資源の管理が、エネルギー問題や食糧安全保障、環境問題といった世界的課題の解決において重要な鍵となることを示しました。
海洋の危機と持続可能性
地球上の生命の約8割が棲む海洋ですが、その生態系の6割が損なわれており、早急な対策が必要とされています。ポルトガル・パビリオンでは、この現状を踏まえ、海洋の持続可能な管理の重要性を来場者に訴えました。
隈研吾氏設計のパビリオン
建築家・隈研吾氏が手がけた印象的なデザインのパビリオンは、何千本ものロープとリサイクル漁網を使用しており、海洋保全のメッセージを視覚的に表現しています。パビリオン内では、海洋をテーマに、音楽、デザイン、芸術、ファッション、映画、文学などの文化的展示に加え、水産養殖、海洋生物多様性、バイオエコノミー、ロボット工学、ナノテクノロジーなど、様々なプロジェクトが紹介されました。
MUSEによる持続可能な未来への提言
ポルトガルの企業MUSEによる常設展示では、「持続可能な未来のためのパートナーシップ」と題した双方向型のマルチメディア体験を通じて、海洋保護の必要性を伝えました。200平方メートルの展示空間で上映される5分間の視聴覚インスタレーションでは、人類と海洋の共生の姿を描いています。
ポルトガルのクリーンエネルギーへの取り組み
クリーンエネルギーは、海洋の持続可能な管理に不可欠です。領域の97%が海で囲まれているポルトガルは、EU屈指のクリーンエネルギー生産国として知られており、特に海洋由来・海洋設置型の再生可能エネルギーの開発に注力しています。2024年4月時点で、国内の電力需要の約95%を再生可能エネルギーで賄うまでに至り、2,500キロメートルに及ぶ海岸線を活用した洋上風力発電の拡大を視野に、2020年にはヨーロッパ初となる浮体式洋上風力発電の稼働に成功しています。2030年までに洋上風力発電で10ギガワットの発電能力の実現を目指しています。「ブルーハブ」として知られる海洋科学技術の研究開発拠点と大学のネットワークによる「ブルーエコノミー・イノベーション・クラスター」も展開しています。
ポルトガル政府代表のメッセージ
2025年大阪万博・ポルトガル政府代表(コミッショナー・ジェネラル)のJoana Gomes Cardoso(ジョアナ・ゴメス・カルドーゾ)は、「ポルトガルは1998年のリスボン万博で海洋問題を世界に問いかけ、2022年には第2回国連海洋会議をリスボンで開催しました。EU海域の48%以上を管轄し、170万平方キロメートルという世界有数の排他的経済水域を持つ国として、2025年の万博では、私たちの知見を共有し、来場者の皆様に海の未来について考えていただく特別な責務があると考えています。日本との協力を通じて、ブルーエコノミーの持続可能な発展に向けた新たな可能性を見だせると確信しています」と述べています。
多様な連携によるパビリオン実現
ポルトガルの2025年大阪万博への参加は、政府機関や地方自治体、民間企業、各種団体間の連携により実現しています。オセアノ・アズール財団、カルースト・グルベンキアン財団、アヴェイロ大学、カトリカ大学、ノヴァ大学などとの戦略的パートナーシップにより、地理的にも分野的にも幅広い展示内容を実現しています。
パビリオンのテーマと情報
ポルトガルパビリオンのテーマは「海、青の対話」です。このパビリオンでは、来場者が、生命を育む資源としての「海」を探求する、ユニークでインタラクティブなマルチメディア体験を提供しました。このテーマは、大阪・関西万博での展示や多様な文化・ビジネスイベントに限らず、ポルトガルパビリオンの中のレストランで提供される「食」でも体験できました。
SNS情報
ポルトガルパビリオンのSNSアカウントは以下の通りです。
- Instagram: https://www.instagram.com/portugalexpo2025/
- Facebook: https://www.facebook.com/PortugalExpo2025Osaka/
- X: https://x.com/PTexpo2025
- LinkedIn: https://www.linkedin.com/company/portugal-expo-2025/
まとめ
ポルトガルは、2025年大阪・関西万博において、「海、青の対話」をテーマに、海洋の持続可能性とブルーエコノミーの重要性を世界に発信しました。隈研吾氏設計のパビリオンや、企業MUSEとの連携による展示を通して、海洋問題への取り組みと、持続可能な未来への展望を示しました。 ポルトガルの長年の海洋に関する知見と、クリーンエネルギーへの積極的な取り組みが紹介され、来場者に海洋保護の必要性を訴えました。
