大阪工業大学情報メディア学科学生、大阪万博で視覚に頼らないタイムトラベル体験コンテンツを公開
2025年4月19日(土)から24日(木)まで開催される2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)において、大阪工業大学(学長:井上晋)情報メディア学科マルチメディア応用研究室(指導教員:平山亮教授)の学生有志が制作した、視覚に頼らない体験型コンテンツ「音で旅する大阪今昔 博士と失われたレシピを探せ!」が公開されます。
このコンテンツは、東京のスタートアップ企業であるGATARI社(代表取締役CEO:竹下俊一)の全面的な協力・支援を受けて制作されました。GATARI社が開発したMixed Reality(複合現実)プラットフォーム「Auris」を活用することで、聴覚を通して、江戸時代の大坂、安土桃山時代の大阪城、現代のミナミなど、異なる時代の大阪を体験できるよう設計されています。
視覚障がい者の世界を体験する機会
本コンテンツは、点字考案200年を記念し、視覚に頼らない体験型コンテンツとして制作されました。毎日新聞社が出展するメディア催事「点字考案200年 視覚障害者の世界を体験する」内にて、GATARI社が提供するコンテンツ「SENSPHERE 知覚の境界をほどく旅」と併せて公開されます。「点字考案200年 視覚障害者の世界を体験する」は、毎日新聞社が今年1月に設立した非営利の共同事業体「ビジョン・コンソーシアム」の活動第1弾として開催される催しです。視覚障がいの有無に関わらず、来場者は目を閉じてスマートフォンとヘッドホンを着用し、聞こえてくる音を通してタイムトラベルを体験します。
Auris:スマホで簡単に実現する没入型音響体験
GATARI社が開発した「Auris」は、スマートフォンなどのデバイスを用いて、空間スキャンと自己位置推定を行うシステムです。環境側に手を加えることなく、設定場所で没入感のある音声を簡単に提供できます。聴覚、視覚、触覚などを組み合わせた複合現実の可能性を開く技術として、姫路城をはじめとする全国各地の文化財や公共施設でも活用されています。
大阪工業大学とGATARI社の協力により実現した本プロジェクトでは、「Auris」を提供するGATARI社が、システム提供やオンラインチュートリアルなどを通して学生を支援しました。学生は、街頭での録音や学内録音設備を使ったボケと突っ込みの交じる大阪らしいせりふの吹き込みなど、エンターテインメント性の高いコンテンツ制作に工夫を凝らしています。また、国立文楽劇場から提供された人気演目「義経千本桜」四段目「道行初音旅」の音源も使用されています。
コンテンツ内容:音で紡がれる大阪の歴史
「音で旅する大阪今昔 博士と失われたレシピを探せ!」では、未来から来た博士と共にタイムトラベルを体験します。まず、「天下の台所」と呼ばれた江戸時代の大坂の賑やかな商いの声や、文楽の力強い語りや三味線の音色を体験。その後、安土桃山時代の大阪城の建築現場、そして現代のミナミへと移動し、それぞれの時代の音風景を聴覚を通して体感します。
大阪工業大学とGATARI社の共同出展
大阪工業大学では、情報メディア学科の学生が制作した「音で旅する大阪今昔 博士と失われたレシピを探せ!」に加え、空間デザイン学科の白髪誠一教授(視覚障がい者と盲導犬に快適なハーネスの開発)と赤井愛教授(視覚障がいを持つ子どものためのプロダクト)の研究成果ポスターなども展示されます。さらに、会場ではミニトークイベントも予定されています。
開催概要
- 開催日時: 2025年4月19日(土)~24日(木)10:00~19:00(最終日は15:00まで)
- 場所: ギャラリーWEST 「点字考案200年 視覚障害者の世界を体験する」(主催:ビジョン・コンソーシアム、毎日新聞社)
- タイトル: GATARI×大阪工業大学音響MRプロジェクト 「音で旅する大阪今昔 博士と失われたレシピを探せ!」(大阪工業大学)、「SENSPHERE 知覚の境界をほどく旅」(GATARI)
本プロジェクトは、最新のデジタルツイン技術や事業運営を学ぶ機会を学生に提供するだけでなく、視覚障がい者の有無に関わらず楽しめるインクルーシブなコンテンツを提供する試みとして注目を集めています。
GATARI社について
GATARI社は、Mixed Realityプラットフォーム「Auris」を開発・提供するスタートアップ企業です。(詳細は公式ウェブサイトを参照)
大阪工業大学について
大阪工業大学は、教育・研究活動を通して社会に貢献する大学です。(詳細は公式ウェブサイトを参照)


