大阪・関西万博のハンガリー・パビリオンがオープン:観光・経済振興の新たな拠点
2025年4月13日、大阪にて、ハンガリーのナジ・マールトン経済大臣が、2025年大阪・関西万博における「ハンガリーパビリオン」の開館式を行いました。 営業許可取得および施設完成において、早期に実現した国のひとつとして注目を集めています。
日本市場に向けた観光・経済振興の鍵
6ヶ月間の開催期間中に2800万人以上の来場者が見込まれる大阪万博。その約8割が東アジア地域からの来場者と推定される中、ハンガリーは独自のパビリオンを通じて、自国の文化を世界に向けて発信します。この国際的な注目を集める機会を、観光誘致および経済関係強化の両面において最大限に活用する戦略です。
ハンガリーは昨年、観光面で過去最高の実績を記録しました。年間1800万人以上の観光客が訪れ、宿泊数は4400万泊を超え、ブダペスト空港の年間旅客数も1760万人を突破しています。特に、今年の統計では東アジアからの旅行者が前年比37%増加しており、更なる成長が期待されています。
ナジ経済大臣は会見で、「ハンガリー・パビリオンの目的のひとつは、我が国への旅行意欲を喚起し、ハンガリーの魅力を発信することです。2025年の第1四半期には、東アジア地域からの訪問者数が2024年の同時期と比較して40%増加いたしました。このような背景から、私たちは大阪万博への出展が、同地域からの観光客誘致をさらに促進するものと確信しております。」と述べました。
ハンガリーと日本は156年にわたる外交関係を背景に、経済・政治面での緊密な協力関係を築いています。今年、ハンガリーは大阪に新たな総領事館を開設予定であり、両国の関係が今後ますます強化されることが期待されています。
ユニークな建築デザインと多様なコンテンツ
大阪・関西万博に登場した「ハンガリー・パビリオン」は、来場者を一目で見込むユニークな建築デザインが特徴です。ファサードに並ぶ35,000枚以上の布製ラメラは視覚的インパクトを与え、特別な体験を提供します。この建物は、ハンガリーという国を知るための「門」として機能し、ハンガリー人の創造力と技術力を象徴しています。
パビリオンの設計を指揮した、コシュート賞およびイブラ賞を受賞した建築家、ゾボキ・ガーボル氏は次のように述べています。「大阪のハンガリー・パビリオンは、“内なる旅”へと誘います。ハンガリーの民族音楽を通じて、日本とハンガリーの文化に共通するモチーフや精神性、自然とのつながりを体感していただけます。五音音階によって、人類最古の普遍的な音楽の遺産にも触れていただけます。」
パビリオン内には、ハンガリーのクラフト製品を揃えたギフトショップ、ビストロスタイルのレストランとワインバーが併設されています。これらの空間は、訪問者にハンガリーの魅⼒を身近に感じてもらいながら、観光促進と経済交流の拡大を目指す戦略的な拠点として機能します。
パビリオンは4つの主要スペースで構成されています:ハンガリー産品を販売するギフトショップ、郷土料理とワインを楽しめるレストラン&バー、民族音楽と文化を体験する没入型展示空間、そして最上階にはビジネスミーティングやワークショップに対応した多目的スペースがあります。
万博を通じた国際交流と経済・外交関係の強化
万博は、参加国・機関同士の経済・外交関係を深めるための唯一無二の場です。ハンガリーはこの国際的な舞台で、自国の創造性、専門性、自然と文化の遺産、そして人々の温かいもてなしの心を世界に発信します。パビリオンでは、ハンガリー民族音楽が中心的な役割を果たしており、展示空間だけでなく、万博会場内の様々なステージで行われる文化・音楽イベントを通じて、国際的な来場者にその魅力を広く伝えます。
ハンガリーは、万博の建設許可取得・完成においても先陣を切り、わずか1年で施設を完成させました。これは日本とハンガリーの施工企業の緊密な協力と高い技術力の賜物であり、両国の専門性と信頼関係の象徴でもあります。ハンガリーの国家イメージ向上に貢献するとともに、観光および投資先としての新たな魅力を提供するものと言えるでしょう。この万博は、参加国間の経済・外交関係を強化させる貴重な国際舞台であり、ハンガリーにとっても、自国の創造力、伝統、ホスピタリティを世界に発信する絶好の機会です。ハンガリー・パビリオンは、単なる展示スペースではなく、将来的な観光誘致や海外投資を見据えた戦略的な“国の窓口”としての役割を果たします。
会社概要
EXPO 2025 Hungary Non-Profit Ltd.