砂を通じた友好で初の出展地域間協定！“砂”をテーマにしたパビリオン同士が大阪・関西万博で国境を超え結託　鳥取県とヨルダン館が「サンド・アライアンス」を締結

2025年4月13日（日）に開幕した「大阪・関西万博」において、鳥取県とヨルダン館が、万博出展地域間初の協定となる「サンド・アライアンス」を締結しました。 この協定は、両パビリオンが「砂」をテーマにした展示を行っていることをきっかけに実現しました。

鳥取県は、関西広域連合が設置する「関西パビリオン」の1区画に「鳥取県ゾーン」を出展。その見どころの一つである「鳥取無限砂丘」は、10トンもの鳥取砂丘の砂（国立公園区域外の砂を使用）を用いた体験型展示です。鏡で覆われた六角形の室内に砂を敷き詰め、来場者は虫眼鏡型デバイスを使って砂の上を歩きながら、鳥取県の観光資源を探します。この砂の輸送シーンなども開幕前から話題を呼び、SNSを中心にヨルダン館の砂の展示との類似性が指摘されていました。

この共通点から、鳥取県はヨルダン館に「サンド・アライアンス」の結成を提案。4月23日（水）、大阪・関西万博にて調印式が執り行われました。調印式には、鳥取県知事の平井氏とヨルダン館のシファ・ズグール・ハッダード政府代表代行が出席。両者は、それぞれの砂丘・砂漠という美しい自然を称え、相互の展示の魅力発信に向け協定を締結しました。

調印式は和やかな雰囲気で行われ、平井知事は「今日こうしてヨルダンのパビリオンとサンド・アライアンスを結ぶことができました。企画が”砂被り”していましたが、素晴らしい展示をお互いに提供しあうことができ、この万博が開かれたことで、砂で”すながる”（繋がる）ことができたと思っています。」とコメント。ヨルダン館のシファ政府代表代行も「ヨルダン館と鳥取県がこのようなサンド・アライアンスを結ぶことができ、とてもうれしく思います。今回の展示では平和を願った、誰でも入れるヨルダンの家の様な空間に皆様をお招きします。日本でヨルダンの世界を体験してもらえると嬉しいです。」と喜びを述べました。

調印式では、友好の証として両パビリオンで使用されている砂の交換が行われ、平井知事はヨルダンの赤い砂に驚いた様子を見せました。さらに、両地域のマスコットキャラクターも交換されました。ヨルダン館のマスコットキャラクター「シーファ」は、日本のキャラクター文化を考慮して万博に合わせて制作されたとのことです。

調印式後、両者は互いの展示を体験し、地域の魅力を共有しました。シファ政府代表代行は鳥取県ブースの虫眼鏡型デバイスを体験し、「素晴らしいコンテンツで（鳥取県に）行きたくなりました。素晴らしいアイデアとプロデュースだと思います。」と高く評価。平井知事もヨルダン館を訪れ、「鳥取よりも細かい感じがします。万博という素晴らしい機会に友情を結び合う、しかも砂で交流していく、そんな1日が始まった気がします。」とコメントしました。

現在、両パビリオンでは、交換された砂やぬいぐるみが展示されています。また、鳥取県ゾーンには、鳥取県とヨルダンの砂を用いた、ヨルダン館の職人によるサンドアートも展示されており、両地域の友好の証となっています。

鳥取県ゾーンについて

鳥取県ゾーンのテーマは、「まんが王国とっとり」「鳥取砂丘をはじめとする特徴的な自然」「鳥取の文化がはぐくんだ豊かな食」です。

「まんが王国とっとり」コーナーでは、水木しげる氏、谷口ジロー氏、青山剛昌氏などの鳥取県出身の漫画家を紹介し、関連施設や海外で出版された作品、貴重なグッズなどを展示しています。

「鳥取無限砂丘」では、虫眼鏡型デバイスを使用することで、鳥取砂丘の砂の上を歩きながら、鳥取県の特産物や観光地、民工芸、キャラクターなどを発見できる没入型の体験を提供しています。時間帯によってはプロジェクションマッピングも実施され、鳥取県の自然や文化をより深く体感できます。

ヨルダン館について

ヨルダン館は「時を紡ぐ」をテーマに、日本のアーティストとの協業により、ヨルダンの風土、味、香りを体感できる空間を提供しています。

360度のシアタールームでは、22トンの本国からの砂を使用し、実際の砂漠の雰囲気の中でヨルダンの歴史を学ぶことができます。現代性と伝統が融合した空間で、「瞬間の美」を感じられるよう設計されています。また、死海のエッセンスを使ったスパエリアも常設されています。

まとめ

大阪・関西万博において、鳥取県とヨルダン館は、「砂」を共通項とした友好関係を構築し、「サンド・アライアンス」を締結しました。これは、万博出展地域間初の協定であり、SNSでの話題をきっかけに実現した、国境を超えた貴重な連携事例です。両パビリオンは、それぞれの展示を通じて、互いの地域の魅力を発信し続けています。