CTCが技術協力した「朝日焼」が2025年大阪・関西万博に展示
2025年5月12日から18日にかけて開催される2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の関西パビリオン京都ゾーン「ICHI-ZA KYOTO 一座きょうと」にて、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(CTC)が技術協力した京都・宇治の伝統的な窯元である朝日焼の作品が展示されます。
この展示では、1970年開催の日本万国博覧会(大阪万博)で展示された十四世窯元の作品と、十六世窯元である松林豊斎氏が制作した現代の作品が並べられ、過去の作品と伝統を受け継ぐ現代の新たな作品を鑑賞できます。 現代の作品は、作品のアイデア創出に画像生成AI技術を活用して制作されました。
CTCは、2022年から伝統工芸におけるAI活用を図る取り組み「NeuCraft(ニュークラフト)」を開始しており、朝日焼との協業はその第一弾となります。11月より、朝日焼十六世窯元 松林氏と共同で、朝日焼の伝統を踏襲しながら新しい陶器のデザインを生成するAIモデルの開発を進めてきました。
開発されたAIモデルは、約400年前から現代までの朝日焼の画像1000点を学習データとして使用し、朝日焼の特徴である形状、模様、釉薬のパターンを学習しています。デザインの方向性をプロンプトや画像で指示できる画像生成ツールを用いており、日本語で過去の作品が作られた時期や形状、模様などの条件を指示することで、初代から先代までの作品と松林氏の創作性を組み合わせたデザインの生成が可能です。過去の伝統と現代的なアプローチを融合することで、伝統を継承しながら、新しい表現の創出を実現しています。
朝日焼十六世窯元 松林豊斎氏は、CTCとの「NeuCraft」の取り組みについて、「2年半が経ち、AIの技術的進化と社会への浸透は着実に進んでいるように感じます。一方で我々人間側がこの新たなテクノロジーに如何に向き合っていくべきかという部分については、絶対的な正解のない状況で皆が右往左往しているように思います。今回のアップデートされた「NeuCraft」のデザインツールを使って、茶盌を作るという作業は、普段の私自身の頭の中での創作の作業が、気の利く分身が出来て拡張され、対話していくような感覚がありました。この気の利き具合も、これからどんどんと向上していくことと思いますが、気が利きつつも予期せぬ驚きが自身の創造性を高めていくように思います。本プロジェクトがそんな人間とAIの対話を生む方向に進むためのステップとなれば嬉しく思います。」とコメントしています。
2025年大阪・関西万博 出展概要
- 名称: 2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)
- 開催期間: 2025年4月13日(日)~10月13日(月)
- 開催場所: 大阪 夢洲
- 出展ブース: 関西パビリオン 京都ゾーン「ICHI-ZA KYOTO(一座きょうと)」
- 出展テーマ: 進化と継承
- 出展期間: 2025年5月12日(月)~5月18日(日)
朝日焼について
約400年前の慶長年間から続く京都・宇治にある窯元です。「宇治茶」と「茶の湯」と共に発展し、慶長年間から遠州七窯の一つにも数えられ、現在では、茶の湯・茶道のための「うつわ」と煎茶・玉露のための「うつわ」を中心に作陶しています。
CTCについて
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(CTC)は、先端技術を活用し、クリエイターやデザイナーの創造性を広げながら、幅広い分野のものづくりを支援しています。
今回の大阪・関西万博での展示は、伝統工芸とAI技術の融合による新たな表現の可能性を示す、重要な事例と言えるでしょう。 CTCは今後も、様々な分野におけるAI技術の活用を推進していくと発表しています。

