大阪・関西万博2025：総務省「Beyond 5G ready ショーケース」で未来の通信体験

2025年5月26日（月）から6月3日（火）まで、大阪・関西万博において、総務省主催の「Beyond 5G ready ショーケース」が開催されました。この催しでは、次世代情報通信技術「Beyond 5G」がもたらす未来社会と最先端技術を、来場者が実際に体験できる機会を提供しました。Beyond 5Gは、場所や時間を問わず多様なユーザーやシステムをシームレスにつなぐ、5Gを超える次世代の情報通信基盤です。総務省は、Beyond 5Gの実現に向けた技術戦略を推進し、民間企業や大学等の研究開発を支援しています。本ショーケースは、日本のBeyond 5Gへの取り組みを世界に発信することを目的としています。

村上総務大臣は開催を目前に、「Beyond 5G ready ショーケースのテーマは“次世代通信”。携帯電話やスマートフォン、パソコンなどが、どこにいても誰とでも“つながる”ことが、当たり前の時代です。Beyond 5Gによって、未来の暮らしがさらに便利で豊かになり、新しい産業やビジネスも生まれ、地方を元気にしていくものと思います。それを万博で是非とも多くの皆様に体験いただきたいと思います。」とコメントしています。

ショーケースの内容：3つのゾーンで未来を体感
バーチャル催事と開催概要

ショーケースの内容：3つのゾーンで未来を体感

ショーケースは、「プロローグシアター」、「未来都市エリア＋技術体験ブース」、「技術展示」の3つのゾーンで構成されていました。

ZONE１：プロローグシアター – 通信の歴史と未来

プロローグシアターでは、180度スクリーンを用いた映像で、通信の歴史からBeyond 5Gによる未来への変遷を紹介しました。通信技術の夜明けから電気通信のはじまり、インターネット元年、携帯電話の誕生（1G）からスマートフォンの普及（4G）、そして5Gの世界から、2030年代以降のBeyond 5Gの世界へと続く進化の過程が映し出されました。

ZONE２：未来都市エリア＋技術体験ブース – 未来を疑似体験

「未来都市体験エリア＋技術体験ブース」では、宇宙、上空、海中、仮想空間といった人類の活動領域の広がりを舞台に、Beyond 5Gがもたらす効果を疑似体験できる5つのブースが設置されました。

リモートムーンオペレーション（未来の仕事）： VRゴーグルを用いた没入型体験で、月面基地のロボットを地球からリアルタイム操作するシミュレーションを行いました。超低遅延、高信頼性を持つBeyond 5Gによって実現する、時空間を超えたコミュニケーションの未来を体験できました。（VRゴーグル体験は13歳以上対象）
HAPSリカバリー（未来の安心）： タブレットで「空飛ぶ基地局」HAPSを操作し、災害で途絶えた通信を復旧させるシミュレーションを行いました。HAPS（High Altitude Platform Station）による広範囲への通信提供の可能性を体験できました。
オーシャンクリーニング（未来の自然）： 人の動きに連動する海中ロボットを遠隔操作し、海洋環境保全を体験できるシアター型ブースでした。NTN（Non-Terrestrial Networks）や水中光無線通信技術による、海洋・海中での安定した通信の実現と、効率的な海洋環境保全活動への貢献を示しました。
バーチャルピッチングルーム（未来のからだ）： 触覚グローブを使い、仮想空間で遠隔地の人やAIアバターとキャッチボールを楽しむブースでした。ハプティクス技術と光通信技術の融合による、触覚情報のリアルタイム伝達と新たなコミュニケーションの形を体験できました。
クロスコネクトシティ（未来の暮らし）： 様々な産業システムを連携させ、街の課題解決をシミュレーションする学習型ブースでした。Beyond 5Gによる産業連携システムの整備と、デジタルツイン技術による予測・分析を通じた、産業連携の最適化と新たな価値創造の可能性を示しました。

ZONE３：技術展示 – Beyond 5Gの最新技術

技術展示ゾーンでは、総務省・国立研究開発法人情報通信研究機構（NICT）のBeyond 5G基金事業等で開発中の最新技術を、映像や実機を用いて紹介しました。ZONE2で体験した通信技術を含む、未来の通信を実現するための技術を学ぶことができました。

展示内容：①オール光ネットワークの共通基盤技術　②基地局の省電力化技術　③デジタルツインサービス実現技術　④水中・海洋における新しい通信技術　⑤自営網通信技術　⑥HAPSでつながる超広域通信　⑦三次元宇宙通信ネットワーク　⑧宇宙天気予報技術　⑨サイバー攻撃観測・分析システム　⑩人間拡張・遠隔作業システム