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関西万博記念!樂茶碗など名品が織りなす茶の湯の世界

大阪・関西万博開催記念 大美特別展:桃山茶碗から現代の樂茶碗まで、日本の茶の湯文化を堪能

2025年5月23日(金)から25日(日)の3日間、大阪美術倶楽部を会場に、「大阪・関西万博開催記念 大美特別展」が開催されました。大阪美術商協同組合が主催する本展では、絵画、陶芸、漆工芸など多彩な美術品・工芸品が展示・販売されましたが、特に桃山時代から現代まで続く日本の茶の湯文化を深く体感できる作品群が注目を集めました。

名品が織りなす、茶の湯の世界:特別企画「呈茶席」

本展では、十代 樂旦入の「黒茶碗」や十五代 樂直入の「焼貫黒樂茶碗 巌」といった樂茶碗をはじめ、桃山時代の「黄瀬戸筒茶碗」、「瀬戸驢蹄口水指」などの名品が展示されました。棗や茶弁当など、厳選された茶道具の数々も出品され、来場者は日本の茶の湯文化の歴史と奥深さを堪能しました。

さらに、日本の豊かな茶の湯文化をより深く体験できる特別企画として「呈茶席」(有料)が設けられました。立礼席形式で、誰でも気軽に茶道体験を楽しめる工夫が凝らされていました。大阪の老舗菓子店「鶴屋八幡」による季節感あふれる和菓子とともに、抹茶を味わう時間は、美術品鑑賞と合わせて、日本文化への理解を深める貴重な機会となりました。呈茶席は、椅子に座って茶道を楽しむ形式で、抹茶と和菓子が提供されました。

茶の湯文化の隆盛:桃山時代の陶器

戦国時代から安土桃山時代にかけて隆盛を極めた茶の湯文化は、武将たちの間でも精神修養として重んじられ、多くの名品を生み出しました。本展では、その象徴ともいえる桃山陶器も展示・販売されました。「黄瀬戸筒茶碗」や「瀬戸驢蹄口水指」は、力強くも素朴な造形と大胆な釉薬の表情から、戦国の世を生きた人々の精神性や自然との調和を重んじる美意識を伝えています。約450年の時を超えて、現代の私たちに静かな感動を与える桃山陶器の美が、来場者の心を捉えました。

千利休の精神を受け継ぐ:樂茶碗

桃山時代から約450年にわたり技を受け継いできた樂家による樂茶碗は、侘び茶の完成者・千利休の思想と美意識を色濃く反映した、日本独自の茶碗文化の象徴です。本展では、十代 樂旦入による「黒茶碗」や十五代 樂直入の「焼貫黒樂茶碗 巌」など、貴重な樂茶碗が展示されました。轆轤を使わず手捏ねで形づくられる柔らかなフォルム、土の素朴な力強さと人の手の温もり、そして唯一無二の釉薬の表情は、それぞれの茶碗に個性と深みを与えています。使う人の手にすっとなじむ質感と佇まいは、単なる器を超え、茶の湯の精神に寄り添う道具としての在り方を今に伝えています。

名品と共に味わう、一服の抹茶

特別企画「呈茶席」では、来場者は茶の湯文化を身近に感じることができました。立礼式で行われた呈茶席では、茶の湯の精神を今に伝える道具・器が用いられ、点てられた抹茶を目の前で鑑賞しながら味わうことができました。大阪の老舗「鶴屋八幡」による初夏を感じさせる特別仕立ての和菓子も、美しい器とともに提供され、「もてなし」の心を五感で楽しむことができました。

鶴屋八幡について

鶴屋八幡は、文久3年(1863)大阪高麗橋に創業した老舗菓子店です。元禄年間創業の「虎屋大和大塚藤原伊織」の製法を継承し、人と人、人と和菓子の出会いを大切に、受け継がれた技と時代に合わせた新しいものづくりを続けています。

呈茶席について

呈茶席は、お客様に抹茶や和菓子をふるまう席です。立礼席での気軽な抹茶と和菓子を楽しむことができ、日本の茶道文化に基づいたおもてなしの場となっています。季節感を大切にした設えや、美しい器とともに提供されるお茶を楽しむことができ、茶道の作法を知らない方でも、日本の伝統文化を身近に感じられる貴重な機会となります。

大美特別展「呈茶席」概要

大美特別展概要

大阪美術商協同組合は、本展を通して、日本の伝統文化の魅力を広く伝えることを目指しています。

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