オーストリアと旭酒造のコラボレーション日本酒「獺祭 未来を作曲」発表~大阪関西万博オーストリアパビリオンにて販売開始~
2025年5月22日、旭酒造株式会社は、オーストリア連邦産業院とのコラボレーションによる日本酒「獺祭 未来を作曲」の販売開始を発表しました。本商品は、大阪・関西万博オーストリアパビリオンにて初販売され、その後、関西の酒販店、百貨店、ホテル、そしてオーストリアを含む一部欧州でも販売される予定です。販売期間は大阪・関西万博の閉幕日である10月13日までとなっています。
「獺祭 未来を作曲」誕生秘話
「獺祭 未来を作曲」は、オーストリア連邦産業院の主導のもと、2024年4月に締結された旭酒造とオーストリア連邦産業院との協力覚書に基づき実現しました。
その製造過程は以下の通りです。
- 2024年4月: オーストリア連邦産業院総裁 ハラルド・マーラー氏が旭酒造蔵を訪問し、2025年大阪・関西万博に向けたコラボレーション日本酒の醸造について合意。
- 2024年8月: ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のメンバーであるアンドレアス・グロースバウアー氏(第一ヴァイオリニスト)をリーダーとする六重奏と、飯森範親氏指揮による日本センチュリー交響楽団によるヨハン・シュトラウスⅡ世の「入り江のワルツ」の演奏をオーストリアで録音。
- 2024年10月: オーストリアから録音された「入り江のワルツ」の音源が旭酒造に届き、獺祭の発酵タンクに聞かせながら「獺祭 未来を作曲」の醸造開始。
- 2025年3月: 「獺祭 未来を作曲」完成。
技術的側面とこだわり
「獺祭 未来を作曲」は、精米歩合が「獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分」と同じ23%です。最大の特長は、発酵過程で音楽を聴かせた点にあります。音から出る振動がタンク内の酵母に影響を与え、酒中に溶けているガスが抜けやすくなり、酵母の動きに変化を与え、酒質に新たな魅力を生み出していると考えられています。発酵期間中30~35日間、タンクに音振装置を取り付けて継続的に振動させています。
関係者からのコメント
本プロジェクトに関わった関係者からは、以下のコメントが寄せられています。
オーストリア連邦産業院総裁 ハラルド・マーラー氏:
オーストリアと日本は、品質、職人技、伝統への深い敬意を共有しています。長期的な視点や家族経営企業の強みなど、多くの共通点があります。オーストリア連邦産業院は、「未来を作曲」というテーマのもと2025年大阪・関西万博を、自国の企業を国際的に発信し、経済・文化交流を促進する重要なプラットフォームと捉えています。日本とオーストリア、互いの魅力や強みを結びつけることを目指しています。未来は手を取り合ってこそ、より豊かで確かなものになると信じています。旭酒造とのコラボレーションは、「日本酒」と「音楽」という両者の文化が、人々の心に直接語りかけ、国境を越えて人々をつなぐ力を持っているという共通の信念に基づいています。このプロジェクトは、両国に共通する価値観を表現するとともに、文化を軸にした協力関係が、持続可能な経済連携へと発展することを物語っています。
旭酒造株式会社社長 桜井一宏氏:
人に感動を与える美味しいお酒は、音楽と同じように人間社会になくてはならない存在だと強く信じています。私たちは世界各国の文化を尊敬しながら酒を輸出しており、その国の文化と協力しながら、新しい文化、新しい楽しさを産み出せることを喜びとしています。この特別な獺祭を通じて、オーストリアと日本の友好関係、そして両国家間でのお互いの文化に対する理解を深める事に私どもの酒蔵が協力できるという事は光栄ですし、オーストリアパビリオンのテーマでもある「未来を作曲」という言葉の通り、日本とオーストリアの関係が深まっていく事を願っています。
「フィルハーモニック・テイスト」プロジェクト創始者、ウィーン・フィルハーモニーのメンバー アンドレアス・グロースバウアー氏:
音楽の「美」、獺祭という酒造りの「智」、そしてオーストリア連邦産業院の「支え」。この三つがひとつのプロジェクトとして結びついた時、そこに生まれたのは「愛」でした。「獺祭 未来を作曲」は、まさにその結晶です。音楽は、日本とオーストリアの人々をつなぐ橋を架けてくれます。今回私たちを結びつけたのは、ヨハン・シュトラウスの「入り江のワルツ」でした。私が手がける「フィルハーモニック・テイスト」というプロジェクトは、音楽の力を通じて、芸術・経済・政治のあいだに橋をかけることを目指しています。この特別なお酒を口にするたびに、日本とオーストリア、そしてそれぞれの美しい文化を思い出していただけたら幸甚です。乾杯!
商品概要
商品名: 獺祭 未来を作曲 カートン入り
容量: 720ml
聴かせた曲: ヨハン・シュトラウスⅡ世「入り江のワルツ」
演奏家: ウィーン・フィルハーモニーのメンバーからなる六重奏、日本センチュリー交響楽団
ラベル記載事項: 精米歩合:23%、アルコール分:15度
原材料名: 米(国産)・米こうじ(国産米)
希望小売価格: 8,000円(税込)
販売期間: 2025年5月22日~10月13日(大阪関西万博閉幕まで)
さらなるコラボレーション:アウガルテンとロブマイヤーとの酒器
2024年12月31日には、旭酒造会長の桜井博志氏がウィーンにて、アウガルテン及びロブマイヤーの工房を訪問し、両社とのコラボレーション酒器の制作が決定しました。アウガルテンからは獺祭ロゴ入りのシャンパンボウル、ロブマイヤーからはバレリーナシリーズの日本酒グラスが提供されます。
アウガルテン: 1718年創業のヨーロッパ最古の歴史を持つ磁器工房のひとつ。
ロブマイヤー: 1823年創業のウィーンのガラス工房。
「獺祭 未来を作曲」は、音楽と日本酒、そしてオーストリアと日本の文化交流を象徴する、特別な商品と言えるでしょう。大阪・関西万博期間中の販売に注目が集まります。


