NTT-AT、2025年大阪・関西万博で超撥水材料「HIREC®」による技術協力を実施
NTTアドバンステクノロジ株式会社(以下:NTT-AT、本社:東京都新宿区、代表取締役社長:伊東 匡)は、2025年3月現在開催中の2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)において、特定非営利活動法人ゼリ・ジャパンが出展する民間パビリオン「BLUE OCEAN DOME(ブルーオーシャン・ドーム)」ドームAにて、超撥水材料「HIREC®(ハイレック)」を用いた技術協力を提供しています。
BLUE OCEAN DOME:海洋資源の持続的活用と海洋生態系の保護をテーマにしたパビリオン
BLUE OCEAN DOMEは、2019年のG20大阪サミットで発表された「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」に基づき、2050年までに海洋プラスチックごみによる追加的な汚染をゼロにすることを目指しています。海洋資源の持続的活用と海洋生態系の保護をテーマとした本パビリオンでは、来館者が楽しみながら環境保護の考え方を学ぶことができます。海をテーマに、「海の持続的活用」の保全と啓発促進、「ブルーオーシャン宣言」実現に向けた取り組みを実践しています。
HIREC®による技術協力:神秘的な水の動きを表現
BLUE OCEAN DOMEのドームAでは、巨大で緻密かつ清浄な水のスペクタクルが展開されています。この展示において、NTT-ATの超撥水材料HIREC®が重要な役割を果たしています。
HIREC®を施した白い盤面の上では、水が想像を超える動きを見せます。小さな水滴はパチンコ玉のようにコロコロと動き、それが一つにまとまると表面張力によってブヨブヨと固まり、流れ出すと蛇のように動きます。この変幻自在な水の動きは、来館者に不思議な感覚を与え、水の循環を神秘的に表現しています。
NTT-ATのHIREC®は、通常の撥水材料とは異なり、初期接触角150°を超える圧倒的な超撥水性を誇ります。塗装面上では水が球状になり、僅かな傾きで水滴は転がり落ちます。水だけでなく、着雪や着氷にも効果を発揮するため、美術・芸術品の保護、アンテナの電波減衰対策、高所構造物の落氷雪事故防止など、幅広い分野で活用されています。今回のBLUE OCEAN DOMEでは、意匠・芸術分野における新しい表現の実現に貢献しています。
HIREC®とBLUE OCEAN DOMEプロジェクトの関係者
BLUE OCEAN DOMEの展示構想・ディレクションは、長年HIREC®をご愛用いただいている日本デザインセンター・原デザイン研究所が担当しました。ドームAのアートピース制作は、nomenaが担当しています。
- 日本デザインセンター: https://www.ndc.co.jp/projects/blue-ocean-dome/
- nomena: https://nomena.co.jp/project/expo2025-blue-ocean-dome/
超撥水材料HIREC®の特徴
一般的なフッ素樹脂コーティングの接触角が100度程度であるのに対し、HIREC®は初期接触角が150度以上です。そのため、HIREC®を施工した面は水を弾き、水膜が生じにくい状態となります。水は表面張力により球状のかたまりとなり、一般的な素材とは異なる不思議な振る舞いを見せます。この特性を生かし、芸術や造形の分野で新しいアイデアを形作ることも可能です。
着水だけでなく、着氷・着雪防止にも効果を発揮し、セルフクリーニング機能により屋外でも長期間にわたり超撥水性を維持できます。そのため、アンテナ・レーダー、橋梁・鉄塔、風力発電、鉄道など、様々な分野で設備の安全・保守に貢献しています。
まとめ
NTT-ATは、2025年大阪・関西万博の民間パビリオン「BLUE OCEAN DOME」において、超撥水材料HIREC®による技術協力を提供し、水の循環を表現する神秘的な水の動きを可能にしました。 HIREC®の優れた超撥水性と、様々な分野への応用可能性を示す展示となっています。 日本デザインセンター・原デザイン研究所とnomenaによるクリエイティブな演出と、NTT-ATの技術が融合した、革新的な展示は、来場者に深い印象を与えていると言えるでしょう。
