【実施報告】こども防災万博 – Presented by Hero Egg – 世界と地域をつなぎ、世代を超えて防災を考える、子ども・若者による多層的ピッチプログラムが実現
2025年5月28日、大阪・関西万博公式プログラムで開催された「防災万博」において、株式会社Meta Heroesが運営するDX教育スペース「Hero Egg」は、次世代が主体的に防災を考える特別プログラム「こども防災万博 – Presented by Hero Egg –」を開催しました。小学生から大学生、そして海外の子どもたちまで、国内外から集まった若い世代が自らの視点で“未来の防災”を提案する、防災・教育・地域創生を多層的に横断するプログラムとなりました。
プログラム詳細
1|香川県の小学生10名による「こどもピッチ」
プログラムの冒頭では、香川県から来場した小学生10名が、地域や日常の視点から導き出した「防災の工夫」や「災害への備え」を発表しました。避難所の設計に対する改善提案や、家族でできる防災習慣のアイデアなど、地域性と現実性を兼ね備えた内容が披露され、会場からは温かい拍手と驚きの声が上がりました。
2|世界とつながる防災ビデオレター
高知県・昭和小学校の児童による防災活動紹介、トルコの子どもたちによる震災体験とメッセージ、インドネシア・バンドン地区の子どもたちによる防災啓発活動VTRが上映されました。災害という共通課題を、国や言語を越えて共有する時間となり、子どもたちの言葉で語られる体験の記録は、多くの大人の心を動かしました。
3|「そなえたらこわくない」―防災ソングの披露
香川県の登壇小学生に加え、防災教育の第一人者である金田義行氏、磯打千雅子氏、そしてアーティストのMilly Rise氏が登場し、オリジナル防災ソング「そなえたらこわくない」を披露しました。音楽というツールを通じて、防災を“学ぶ”から“感じる”へと昇華する演出に、子どもも大人も自然と体を揺らしながら聴き入っていました。
4|Hero Egg主催・中高大学生による防災プレゼンピッチ
Hero Eggで開催された防災ピッチコンテストを勝ち抜いた7組の中高大学生が登壇。「災害時に自分たちができること」を出発点に、宇宙から見た防災対策の構想や、AIを活用した避難情報発信モデルなど、テクノロジーや教育、グローバルといった幅広い提案がなされました。
5|“こどものまち×防災”ピッチ:社会の共創者としての子どもたち
子どもたち自身が主導する自治体参加型プロジェクト「こどものまち」からも登壇。「こども・若者から創るまち」をテーマに、防災と教育、地域創生を掛け合わせた新しい社会像を提示し、行政関係者からも注目を集めました。
6|ウクライナからの声:マリィアさんによる特別ピッチ
ウクライナ・ハルキウから日本に避難中のポポヴィッチ・マリィア氏(中央大学法学研究科)が登壇。自身の避難経験をもとに、一般社団法人全国心理業連合会(全心連)ウクライナ心のケア交流センター 渋谷ひまわりのサポートのもと、「災害や戦禍において、女性や子どもがどう守られるべきか」をテーマにしたプレゼンテーションを行いました。現実の課題と真摯に向き合う言葉は、来場者の胸に深く刺さり、“防災=身近な人を守る力”という原点を再確認させる時間となりました。
7|「Hero Egg」発:テクノロジーと教育がつなぐ防災の未来
本セクションの最後には、Hero Egg代表として株式会社Meta Heroes代表取締役松石和俊氏と中学3年生起業家近藤ニコル氏が登壇。防災×教育の新たな可能性を切り拓くプロダクトや学びの仕組みを紹介しました。AI、メタバース、リスキリングといった先端要素を、子どもたちの“行動”に落とし込む教育デザインに、多くの関心が寄せられました。
特別メッセージ:香川県知事・徳島県知事から子どもたちへ
本セクションの開催にあたり、香川県知事・池田豊人氏、徳島県知事・後藤田正純氏から、子どもたちへ向けたビデオレターが寄せられました。それぞれのメッセージでは、「次世代の声に耳を傾けることの大切さ」や「地域防災における若い世代の役割への期待」が語られ、会場の子どもたちも真剣な眼差しでスクリーンを見つめていました。香川県知事・池田豊人氏はビデオメッセージの中で、「香川県を代表してみなさんが防災について真剣に考え、社会に向けてアイデアを発表しようとする姿勢は、同学年の子どもたちだけでなく私たち大人にとっても大きな刺激です」と述べています。首長からの直接の応援メッセージは、登壇した子どもたちやピッチに参加した学生たちにとって、自分たちの声や行動が社会に届いているという実感を得る瞬間となりました。
今後の展開とHero Eggのめざすもの
「こども防災万博 – Presented by Hero Egg –」は、今回の開催を起点として、全国各地、そして海外とも連携しながら継続展開を予定しています。防災という共通課題を、子どもたち自身が“自分の言葉と行動で捉え直す”機会をつくることで、社会に対して問いを投げかける力を育みます。Hero Eggでは今後、学校・自治体と連携した「地域版こども防災万博」の展開、防災・防犯・環境をテーマにしたピッチ教育カリキュラムの開発、メタバース・AIを活用した多言語・多文化対応の防災教育モデル構築、“共創型”防災プロダクトの試作・実装支援プログラムの拡充といった取り組みを拡充していく予定です。Hero Eggは、子どもたちの創造力と行動力が、地域社会や行政、企業とつながり合いながら「今を変えていく」学びの土台を目指しています。防災をきっかけに、自分と誰かの命を守ること、そして社会をより良くする行動を、子どもたち自身が“実行者”として担っていける仕組みを今後も育てていきます。
【Hero Egg】
Hero Egg(ヒーローエッグ)は、2024年8月に開設された、メタバース(XR)やAIを学べるDX教育施設です。大阪・なんばの商業施設「なんばパークス」1F「eスタジアムなんば本店」内に位置し、子どもも大人も“共に学ぶ”をコンセプトに、ゲームやAIの体験型プログラム、セミナー、実践型ワークショップなどを展開しています。未来を担う子どもたちに無償で教育機会を提供しており、誰もが経済的な制約にとらわれず、最先端技術に触れ、学び、挑戦できる場を目指しています。
【株式会社Meta Heroes】
株式会社Meta Heroesは「Society 5.0 × SDGs × HERO」をテーマに事業を展開する企業です。メタバース(XR)やAIを活用した開発やDX教育施設『Hero Egg』の運営、AIの企業研修、教育・防災・地方創生など社会課題の解決に取り組んでいます。2025年5月大阪・関西万博のEXPOホールにて「AI/メタバースアワード」および「防災万博」を主催し、2日間で延べ15,000人が来場し、全国153の自治体・教育機関・団体から後援を受けた大規模イベントとして成功を収めました。
