人工内耳が、音の世界と私をつないでくれたーー生まれつき耳が聞こえない難聴当事者が大阪・関西万博で英語スピーチへ

2025年6月29日（日）、大阪・関西万博オーストラリアパビリオンにて開催された国際イベント「Power of Speech」に、一般社団法人Bridge Heart代表理事の池田優里さんがスピーカーとして登壇しました。 生まれつき耳が聞こえない池田さんは、人工内耳によって「音のある世界」と繋がる経験をし、その体験を世界に発信しました。

「Power of Speech」は、オーストラリアの非営利団体The Shepherd Centreが主催する国際スピーチイベントで、人工内耳を装用した子どもや若者たちが自身の体験を通じて社会に「声」を届けることを目的としています。 本イベントは招待者向けで、約100名の耳鼻咽喉科医、言語聴覚士、教育関係者、オーストラリア大使館関係者、自由民主党・難聴対策推進議員連盟関係者などが参加しました。スピーチ内容は後日、ドキュメンタリー映像として配信される予定です。

池田さんを含め、日本とオーストラリアから選ばれた人工内耳ユーザー5名がスピーチを行い、日本の医療専門家、日豪の難聴児保護者、そして豪州人工内耳企業代表者がパネルディスカッションに参加しました。 イベントは11時30分から14時まで開催されました。

人工内耳とは？

人工内耳（Cochlear Implant）は、高度、重度の感音性難聴がある方のために開発された医療機器です。耳の損傷した箇所を迂回して聴神経を刺激することで、音の大きさと明瞭度を向上させます。補聴器では十分な効果が得られない場合に選択されることが多く、現在では世界で最も普及している人工臓器のひとつと言われています。

しかし、日本では療育支援や情報提供の体制が地域によって大きく異なり、制度面・支援面の課題が残されているのが現状です。「Power of Speech」は、こうした課題を社会に広く伝える契機ともなりました。

一般社団法人Bridge Heartについて

一般社団法人Bridge Heartは、聴覚障害児とその家族が、情報や支援、仲間とつながることができるプラットフォームを提供しています。 療育情報の発信、コミュニティ運営、専門家との連携イベント、就労支援などを通じて、聴覚障害があるからこそ自分らしく生きていける社会の実現を目指しています。

連絡先：bridgeheart2023@gmail.com Instagram：https://www.instagram.com/bridge._.heart/ 公式HP：https://bridge-heart.com/

まとめ

大阪・関西万博オーストラリアパビリオンで開催された「Power of Speech」において、一般社団法人Bridge Heart代表理事の池田優里さんは、生まれつき耳が聞こえない自身の経験と、人工内耳が音の世界との繋がりをもたらしてくれたことについて英語でスピーチを行いました。このイベントは、人工内耳ユーザーの体験共有と、日本の難聴者支援に関する課題を浮き彫りにする重要な機会となりました。 池田さんのスピーチとイベントの様子は、後日公開されるドキュメンタリー映像で確認できます。