ソニーのにおい制御技術「Grid Scent™」が大阪・関西万博資生堂感性研究に貢献
2025年4月13日から10月13日まで開催された大阪・関西万博において、ソニー株式会社が開発したにおい制御技術「Grid Scent™」が、株式会社資生堂の感性研究に活用されました。 ソニーの独自技術である「Tensor Valve™テクノロジー」を搭載した「Grid Scent™」は、空間への香りのオンデマンドな放出を可能にする嗅覚提示デバイスです。
この技術は、河瀨直美テーマ事業プロデューサーが担当するシグネチャーパビリオン「Dialogue Theater – いのちのあかし –」内の「対話シアター棟」と「森の集会所」において、資生堂による「香りを用いた共感体験」の実証実験と常設展示に採用されました。
資生堂の感性研究:香りと共感の可視化
資生堂は、来場者参加型の感性研究として、「香りを用いた共感体験」を実施しました。この研究では、「美」に関するテーマで、スクリーン越しもしくは向かい合って対話する二人の参加者の感情を可視化し、香りが人々の関係性をより良い方向に変えるのかを検証することを目的としています。
実証実験(2025年7月11日~14日):対話シアター棟
7月11日から14日までの4日間、「対話シアター棟」では、ランダムに選ばれた参加者が初めて出会う相手と対話を行いました。 この対話の様子を元に、二人の共感度を測定し、その度合いに応じて「Grid Scent™」から香りが放出されました。 この実験では、香りの提示が人々の関係性に与える影響を検証しました。 実験への参加は無料でした。
常設展示(2025年4月13日~10月13日):森の集会所
一方、「森の集会所」では、大阪・関西万博期間中を通して、同様の「香りを用いた共感体験」が常設展示として提供されました。 ここでは、向かい合った二人が自由に対話を楽しみ、資生堂の感性研究技術によって、表情から感情を読み取り、「共感」の度合いを計算します。 共感したタイミングで「Grid Scent™」から香りが放出され、体験後には、香りの提示回数と最大共感度の結果を見ることができました。この展示も無料でした。
ソニーの「Grid Scent™」とTensor Valve™テクノロジー
「Grid Scent™」は、ソニー独自のにおい制御技術である「Tensor Valve™テクノロジー」によって、空間への香りの精密な制御を可能にしています。 この技術は、オンデマンドでの香りの放出を可能にし、資生堂の実験において、共感度に応じた香りの演出を実現する上で重要な役割を果たしました。
ソニーの取り組み
ソニー株式会社は、今後も香りを通して人々の心に残る新しい体験価値の創出と、より豊かな社会の実現に貢献していくとしています。 今回の大阪・関西万博での取り組みは、その姿勢を示す一例と言えるでしょう。
実施概要
<Shiseido Week(資生堂ウィーク)特別企画内「香りを用いた共感体験」(来場者参加型)>
- 期間:2025年7月11日(金)~14日(月)
- 場所:大阪・関西万博 シグネチャーパビリオン「Dialogue Theater – いのちのあかし –」内 対話シアター棟
- 費用:無料
<森の集会所内「香りを用いた共感体験」(常設)>
- 期間:2025年4月13日(日)~2025年10月13日(月)
- 場所:大阪・関西万博 シグネチャーパビリオン「Dialogue Theater – いのちのあかし –」内 森の集会所内
- 費用:無料
ソニー株式会社 嗅覚事業推進室および株式会社資生堂は、それぞれのウェブサイトでより詳細な情報を公開しています。
まとめ
大阪・関西万博において、ソニーの「Grid Scent™」が資生堂の感性研究に活用され、香りを用いた共感体験の実証実験と常設展示が行われました。 この取り組みは、におい制御技術と感性研究の融合による、新たな体験価値の創出の可能性を示唆するものです。


