- クラスターと東京大学、EXPO2025で「人生経験交換メタバース」ワールド公開
2025年、クラスター株式会社(本社:東京都品川区 代表取締役CEO:加藤 直人)の研究機関であるクラスターメタバース研究所は、東京大学大学院情報理工学系研究科 葛岡・鳴海・谷川研究室と共同で実施している「人生経験交換メタバース」プロジェクトの成果として、ワールド(メタバース空間)をEXPO2025 大阪・関西万博で公開しました。
このプロジェクトは、内閣府/JSTムーンショット型研究開発事業・目標1「身体的共創を生み出すサイバネティック・アバター技術と社会基盤の開発」(Project Cybernetic being)の一環です。
「人生経験交換メタバース」プロジェクトの概要
クラスターと東京大学は共同で、人生のターニングポイントをメタバース空間として再現し、他者と共有する革新的な「人生経験交換メタバース」プロジェクトを実施しました。VR技術とメタバースプラットフォームを活用し、個人の人生のターニングポイントに関する記憶を3次元のバーチャル空間として再現することで、他者への経験の共有と本人の経験の再解釈を促進する手法を開発しました。
従来の研究が物理的な正確さを追求していたのに対し、本取り組みは「記憶の主観的な歪み」をあえて活かすアプローチを採用し、より深い共感と理解を生み出すことに成功しています。EXPO2025大阪・関西万博「フューチャーライフエクスペリエンス(FLE)」での展示では、来場者がQRコードを通じてメタバース空間にアクセスし、実際に体験できる展示方法を採用しています。
研究者コメント
東京大学大学院情報理工学系研究科 鳴海 拓志 准教授:
人生経験をメタバースで共有することが、誰にとっても過去をポジティブに再解釈し、新しい自分に気付くきっかけになることが実証できた取り組みでした。生成AIとの対話でメタバース空間を作る時代も近づいており、誰もが自分の人生をメタバース空間にできる未来がもうすぐ来るのではないかと期待しています。
クラスターメタバース研究所 平木 剛史 氏:
メタバースは単なるエンターテインメント向け環境ではなく、人々の人生経験を共有し、相互理解を深めるための研究・実証環境となる可能性があることがわかった取り組みでした。今後も生成AIとの協調を含めたメタバースの可能性をプラットフォーマーの立場から探求していきたいと考えています。
慶應義塾大学メディアデザイン研究科 南澤 孝太 教授(Project Cybernetic being プロジェクトマネージャー):
デジタルコミュニケーションの発展にともない、物理世界だけでなくメタバース空間においても、多様な人々の多彩な生活が営まれる時代が訪れています。これまで伝えることができなかった個人の経験や想いを、体験を通じて人に伝えることができる「人生経験交換メタバース」が、本や映像を超えて、人の経験を流通させ、人と人とを深く繋げる新たなメディアとなることを期待しています。
今後の展開
本取り組みは、医療・福祉分野での応用、企業研修での活用など、多方面への展開が期待されています。将来的には、誰もが気軽に自分の人生をメタバース空間として表現し、大切な人と語り合える環境の実現を目指します。
本プロジェクトの詳細については、公開された記事『人生をメタバース化する良いことが起こる?東京大学×クラスターメタバース研究所が描く新しい人生の歩み方』を参照できます。
ワールドは、下記URLからアクセスできるロビーから体験可能です。
関連情報
- クラスターメタバース研究所: クラスターメタバース研究所は、「人類の創造力を加速する」というクラスター全体の目標を先導します。科学的な知見やプラットフォームに蓄積されるデータをもとに、CV/CG/HCI/VR/BMIおよび、全体をまたぐML領域の研究に取り組み、プラットフォームであるクラスターに短期的・長期的を問わず還元していく成果と、人類全体を前に進めるアカデミックな成果も生み出し、融合していくことを目指しています。
- クラスター株式会社: メタバースプラットフォームを展開。スマホやPC、VRといった好きなデバイスから10万人が同時に接続することができ、大規模イベントの開催や人気IPコンテンツの常設化を可能にしています。
- 東京大学 大学院情報理工学系研究科 葛岡・鳴海・谷川研究室: バーチャルリアリティ技術を端緒として、人間と計算機を分かちがたく一体化し、全体として高度な情報処理システムを構築するための技術:サイバネティック・インタフェース技術について、バーチャルリアリティ技術や遠隔協調作業支援技術を端緒として、基礎研究から応用研究まで、さまざまな角度から研究を行っています。
- Project Cybernetic being: ムーンショット型研究開発事業・目標1「2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現」における研究開発プロジェクト「身体的共創を生み出すサイバネティック・アバター技術と社会基盤の開発」。人々の身体的経験や技能をネットワーク上で流通・共有し、障害当事者や高齢者や子どもたちを含む多様な人々が自在に行動し社会参加できる未来社会を目指しています。
まとめ
クラスターと東京大学による「人生経験交換メタバース」プロジェクトは、EXPO2025での展示を通じて、メタバース技術が人々の相互理解と人生の再解釈に貢献する可能性を示しました。 今後の医療・福祉分野や企業研修などへの応用展開が期待されます。

