世界初!立体物に直接縫える「MIRAIミシン」が大阪・関西万博に出展
2025年8月5日(火)~11日(月)、大阪・関西万博のヘルスケアパビリオンブース、関西大学リボーンチャレンジにて、株式会社アックスヤマザキが開発した家庭用ミシン「MIRAIミシン」が展示されました。 このミシンは、トヨタ車体株式会社の特許技術「タグステッチ工法」を活用し、世界初※(2025年3月時点、当社調べ:タグステッチ工法による立体物縫製)となる立体物への直接縫製を可能にした画期的な製品です。
トヨタ車体と家庭用ミシンメーカーの技術融合
「MIRAIミシン」は、創業78年以上の歴史を持つ家庭用ミシンメーカー、株式会社アックスヤマザキと、自動車部品製造で高い技術力を誇るトヨタ車体株式会社との共同開発によって実現しました。 トヨタ車体株式会社が保有する「タグステッチ工法」は、同社の真空成型技術を応用し、自動車内装部品などの湾曲した立体物に直接加飾縫製を行う技術です。 現行アルファードのダッシュボードなどにも採用されており、高級感を演出する上で重要な役割を担っています。
アックスヤマザキは、このタグステッチ工法に着目し、タグピンメーカーである株式会社トスカバノックの協力を得ながら、家庭用ミシンへの応用を目指した開発を行いました。 その結果、「MIRAIミシン」は、ソファなどの立体物(湾曲した形状を含む)に直接縫合や縫製を行うことを可能にしています。 現在、2026年の実用化に向けて開発が進められています。
タグステッチ工法:立体物への直接縫製を実現
「MIRAIミシン」の心臓部であるタグステッチ工法は、立体物に直接加飾縫製ができる、唯一の縫製技術です。 一般的なミシン縫製では、布地の上から上糸、下から下糸が布地を挟んで縫製されますが、タグステッチ工法では、下糸の代わりにタグピンを使用し、上方向から縫製します。 値札貼りで使われるタグピンを改良したもので、株式会社トスカバノックの技術が活用されています。 タグピンが糸抜けを防ぐ役割を果たすことで、安定した縫製を実現しています。
開発背景:自動車技術から家庭へ
トヨタ車体の高級ミニバンのフルモデルチェンジにおいて、誰でも容易に、自動化による安定した品質で量産できる縫製技術が必要とされたことから、タグステッチ工法は独自開発されました。 トヨタ車体いなべ工場長(現生産本部長)小山憲一氏は、この技術を自動車部品生産のみに留まらず、より広く社会に役立てたいという強い思いから、家庭用ミシン専門メーカーであるアックスヤマザキに目をつけました。 メディアを通じてアックスヤマザキの技術力を知った小山氏は、直接会社を訪れ、共同開発へと繋がりました。 アックスヤマザキは、この新しい挑戦を通じて、個人が立体物の既製品をリメイクしたり、気軽に補修できる新しい文化の創造を目指しています。
「MIRAIミシン」製品概要 (予定)
- コンセプト名: MIRAIミシン
- サイズ: 約幅35.6cm × 奥行14cm × 高さ30cm(アンテナ含まず、含む場合高さ45cm)
- 重量: 約1.7kg
- 電源: 100V~240V
※上記製品概要は、2025年時点での予定であり、変更の可能性があります。
株式会社アックスヤマザキについて
株式会社アックスヤマザキは、ミシンを通じて社会課題の解決に貢献するモノづくり、コトづくりを展開する、創業78年以上の歴史を持つ家庭用ミシンメーカーです。「もう一度一家に一台」を目標に、市場創造を目指しています。
まとめ
大阪・関西万博での展示を通して注目を集めた「MIRAIミシン」は、トヨタ車体の革新的技術とアックスヤマザキのミシン製造技術が融合した、世界初の立体物直接縫製ミシンです。2026年の実用化に向けた開発が進む中、個人の創造性を広げ、持続可能な社会に貢献する可能性を秘めています。


