大阪万博テーマ事業プロデューサー 宮田裕章が手掛けるシグネチャーパビリオン「Better Co-Being」全貌公開(2025年報道)
2025年4月開幕の2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)において、テーマ事業「いのちを響き合わせる」を担当する宮田裕章プロデューサー(慶應義塾大学医学部教授)が手掛けるシグネチャーパビリオン「Better Co-Being」が開催されました。4月3日に行われたシグネチャーパビリオン8館完成披露・合同内覧会では、「虹をつくる体験会」が実施され、その全貌が明らかになりました。
「Better Co-Being」は、「共鳴」をテーマに、屋根も壁もない、周囲の「静けさの森」と一体化したパビリオンです。人々の感性が共有され響き合う「共鳴」を体験を通して提供し、来場者同士がつながり、未来を描くことを目指しています。体験は「共鳴」をテーマにした3つのアート体験とエピローグで構成され、WEBアプリと「echorb (エコーブ)」という特殊な石ころという2つのデジタル技術を活用します。15分間の体験会は事前予約制で、15名程度のグループでツアー形式で行われます。予約は入場チケット購入後、公式チケットサイトやアプリ、スマートフォンなどから可能です。
建築はSANAAが担当し、3つのアート体験は「人と人との共鳴」「人と世界の共鳴」「人と未来の共鳴」という3つのテーマで構成されています。
Sequence1「人と人との共鳴」:塩田千春『言葉の丘』
自己と他者を見つめ、「何を通してつながるか」を再認識する体験です。小高い丘の上に、赤い糸と多言語の文字、線で形作られた机と椅子で構成された作品が設置されています。7言語のメッセージは万博のテーマウィーク事業の7つのテーマにリンクしており、「echorb (エコーブ)」を使用すると、位置情報に応じてWEBアプリ上にメッセージが表示されます。
Sequence2「人と世界の共鳴」:宮島達男『Counter Voice Network – Expo 2025』
なだらかなスロープを下りながら体験する、音声を軸にしたインスタレーションです。両脇の30個のスピーカーから、45カ国以上の言語で「9、8、7……、1」というカウントダウンが鳴り響きます。「0」がなく静寂が訪れる瞬間が、生命や時間の多様性を体感させます。「echorb (エコーブ)」を使用すると、カウントダウンを行う人々の名前や言語、関連ストーリーがWEBアプリ上に表示されます。
Sequence3「人と未来の共鳴」:宮田裕章『共鳴の空』、宮田裕章 with EiM『最大多様の最大幸福』
来場者同士がつながり、未来を描くことを目指す体験です。『共鳴の空』では、人工の雨が降り、自然と来場者の動きが交じり合い、虹が生み出されます。虹の出現は不確定性があり、予期せぬ景色と体験の共有を促します。『最大多様の最大幸福』は、宮田裕章とクリエイティブチームEiMによる作品で、高さ7mのキャノピーに約400本のワイヤーとサンキャッチャーが取り付けられています。自然光や人工光とのコントラストによる幻想的な光景が展開されます。
エピローグ:宮田裕章・真鍋大度ら
これまでの体験を受け、球体LED装置を中心に、来場者が「echorb(エコーブ)」やWEBアプリを通じて情報を共有し、未来のイメージを可視化するセクションです。7つの万博テーマ、作品、心拍数、位置情報、気象データなどが結びつき、唯一無二の映像が生成されます。
キーマテリアル
- Better Co-Being アプリ (supported by 大林組):アート作品の解説表示、テーマや作品の選択、エピローグでの演出、体験のアーカイブなどを可能にするWEBアプリです。
- ふしぎな石ころ「echorb (エコーブ)」 (supported by 村田製作所):3Dハプティクス技術を用いた石ころで、振動により来場者を体験に導き、位置情報や心拍数を感知します。
SANAAによるパビリオン建築
SANAA設計のパビリオンは、森と一体化するように配置され、天井や壁がなく、高さ11mの四層構造のシルバーグリッド状のキャノピーが敷地を覆っています。繊細な柱と接合部により、キャノピーは雲のように浮かび上がり、空の存在を際立たせます。
Better Co-Being 関係者
- プロデューサー/共同キュレーター:宮田裕章
- 建築:SANAA
- 共同キュレーター:長谷川祐子
- アーティスト:塩田千春、宮島達男、宮田裕章、宮田裕章 with EiM、真鍋大度ら
協賛社
ゴールドパートナー:株式会社大林組、株式会社村田製作所 シルバーパートナー:大塚製薬株式会社、読売新聞社 ブロンズパートナー:アストラゼネカ株式会社、東和薬品株式会社、TOPPANホールディングス株式会社 パートナー:アレクシオンファーマ合同会社、株式会社スーパーホテル サプライヤー:LED TOKYO株式会社、株式会社ゴールドウイン、日本アイ・ビー・エム株式会社、ヤマハ株式会社
本パビリオンは、来場者参加型の体験を通して、「共鳴」というテーマを深く体感できる機会を提供しています。 事前予約を行い、この特別な体験をぜひお楽しみください。