大阪万博2025:バイオプラスチック製パイプオルガンで実現するネイチャーポジティブ

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2024年大阪・関西万博:バイオプラスチックで自然共生社会を提案 ─ 西日本プラスチック製品工業協会の万博展示

一般社団法人西日本プラスチック製品工業協会(事務局:大阪市西区、会長:岩﨑能久)は、2024年8月19日~25日、2025年大阪・関西万博の大阪ヘルスケアパビリオン内「リボーンチャレンジ」において、「Nature Positive from bio plastics.(ネイチャーポジティブ―バイオプラスチックから始まる自然と共生する社会―)」をテーマとした展示を行うことを発表しました。

本展示では、「学ぶ」「体験する」「感じる」場を提供することで、作り手と消費者が未来社会を共に考える契機とすることを目指しています。植物とプラスチックが共存するイメージをディスプレイで表現し、バイオプラスチック製品やモックアップの展示、製品を使ったAR(拡張現実)体験などを実施予定です。

展示の目玉となるのが、世界初の「バイオプラスチック製パイプオルガン」です。パイプや鍵盤など主要部品・部材にバイオプラスチックを採用したこのオルガンは、プラスチック業界が環境対応技術に挑むシンボルとして制作・披露されます。バイオプラスチックは普及の途上にある新素材ですが、従来型プラスチックを起因とする地球温暖化や海洋汚染を解決し得る有望な材料として期待されています。

バイオプラスチック製パイプオルガン:技術の挑戦と未来への展望

日本にパイプオルガンが伝わったのは19世紀頃と言われています。ヤマハ株式会社の資料によると、明治30年代(1900年頃)に、同社の前身である日本楽器製造がパイプオルガンの構造研究に着手し、当初は竹製のパイプを試作していたとされています。植物由来のバイオプラスチックによるパイプオルガンの制作は、この歴史への回帰であり、同時に技術革新と言えるでしょう。

本プロジェクトでは、複数のプラスチック成形企業が技術を結集し、ヤマハ株式会社の技術協力のもと進められています。現在のバイオプラスチック国内市場では、レジ袋など一部の定型的な製品が主流で、まだ業界でも馴染み深い素材とは言えません。通常のプラスチックでも種類によって、溶けた際の金型への流し込みやすさや、固まった時の収縮度合いなどが異なるため成形は容易ではありません。新素材であるバイオプラスチックでは、なおさら難易度が高いと言えるでしょう。

万博で披露するパイプオルガンは、バイオプラスチック素材としては類を見ない長尺パイプの成形や、表面の美しさも要求される鍵盤の成形など、多くの技術的課題に挑んでいます。これらの挑戦を通して、検証と課題解決を繰り返し、技術を蓄積し、今後のバイオプラスチックの本格的な普及へと繋げることを目指しています。

現在、パーツやユニットごとに試作中で、2024年中に組み立てを開始し、年明けに整音する予定です。木材や金属で作られていた楽器をプラスチック材料で作ることができるのか、プラスチックの共鳴のしづらさやパーツ精度の問題を克服し、イメージ通りの響きを実現できるのか、まだ不透明な部分も多いです。しかし、大小や短長、複雑形状などあらゆる成形の技術を蓄積していくことは、バイオプラスチックの普及拡大に不可欠です。万博で披露するパイプオルガンの制作を通じて、業界全体に挑戦のムーブメントを起こしたいと考えています。

バイオプラスチック製品展示:多様な企業による取り組み

展示会では、バイオプラスチック製パイプオルガンの他、様々なバイオプラスチック製品やモックアップも展示されます。出展企業は以下の通りです(五十音順、11月8日時点の予定で、変更の可能性があります)。

アスカカンパニー株式会社、岩崎工業株式会社、株式会社上山製作所、エビス株式会社、株式会社オーエスケー、大阪銘板株式会社、協和株式会社、三優ライト工業株式会社、大成化工株式会社、多田プラスチック工業株式会社、株式会社プラステコ、株式会社ヤマキ合成、株式会社山佳化成、吉川化成株式会社、株式会社吉川国工業所、リーダー株式会社、株式会社Ring、株式会社ワカクサ

パイプオルガン制作プロジェクトに参加する企業は以下の通りです(五十音順)。

旭化工株式会社、株式会社泉製作所、角一化成株式会社、サカエ株式会社、佐原化学工業株式会社、株式会社三共プラス、株式会社昭栄精化工業、有限会社不動プラスチックス製作所

西日本プラスチック製品工業協会について

西日本プラスチック製品工業協会は、西日本地区におけるプラスチック製品製造業界唯一の総合団体です。正会員295社、賛助会員118社の合計413社で構成され、技能検定実技試験や人材育成、勉強会・セミナーの実施、情報提供等で会員をサポートしています。会員同士の交流・情報交換の場の設定、技術振興事業なども展開しています。

バイオプラスチックに関する取り組みは2019年に開始し、SDGsをテーマにした懇談会を開催するほか、「大阪バイオプラスチックビジネス推進ネットワーク(OBPN)」を立ち上げ、脱炭素や海洋プラスチックごみ問題の解決に向けた活動を推進しています。

その他の出展情報

協会は、OBPNや大阪府事業を活用し、技術や知見の共有だけでなく、バイオプラスチックのビジネス化にも取り組んでいます。 2024年9月4日~6日には「第98回東京インターナショナル ギフト・ショー」、10月29日~31日には「第13回高機能プラスチック展」に出展しました。今後、11月20日~22日には「名古屋プラスチック工業展2024」への出展を予定しています。

本展示を通じて

西日本プラスチック製品工業協会は、2024年大阪・関西万博での展示を通じて、バイオプラスチックの可能性と、持続可能な社会に向けた取り組みを広く発信し、関係者間の連携強化を図ることを目指しています。

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