SkyDrive、大阪・関西万博のメディアデーにて、空飛ぶクルマの公開フライトを実施
2025年4月9日、株式会社SkyDriveは、大阪・関西万博のメディアデーにおいて、空飛ぶクルマ「SKYDRIVE(SkyDrive式SD-05型)」の公開フライトを実施しました。 豊田市にある自社開発施設での飛行試験や開発の映像も初公開されました。
大阪・関西万博での公開フライト:未来のモビリティを体感
2023年2月、SkyDriveは大阪・関西万博『未来社会ショーケース事業出展』の「スマートモビリティ万博」における空飛ぶクルマの運航事業者に選定されました。同社は大阪・関西万博を最重要マイルストーンと位置づけ、機体開発に注力してきました。
2024年より愛知県豊田市の自社飛行試験施設で飛行試験を積み重ね、安全性を確保した上で、2025年夏の二地点間飛行・周回飛行に先駆けて、万博会場内ポート「EXPO Vertiport」にて公開フライトを実施。高度は約5m、飛行時間は約4分間で、パイロットは搭乗せず、自動制御とリモート操縦による安全な運航が行われました。
豊田市自社開発施設での飛行試験と開発ストーリーの公開
豊田市にある自社開発施設で行われた飛行試験の様子も公開されました。公開された映像は、大阪・関西万博会場で飛行した「SKYDRIVE(SkyDrive式SD-05型)」と同じ型式の初号機によるものです。 撮影期間は2025年1月〜2月でした。 さらに、開発の軌跡とエンジニアの姿を伝える動画も公開されています。
代表取締役CEO 福澤知浩氏のコメント
SkyDrive代表取締役CEO 福澤知浩氏は、以下のコメントを発表しました。「当社は、『100年に一度のモビリティ革命を牽引する』をミッションに、創業以来、機体開発・事業開発に邁進してまいりました。2020年8月には、日本初の空飛ぶクルマの公開有人デモフライトに成功し、以降、多くの方々のご支援を賜り、前進することができました。本日、大阪・関西万博の会場にて、『SKYDRIVE』をお披露目できたことを、大変嬉しく思っております。」
福澤氏は、関係者への感謝を述べるとともに、「空飛ぶクルマは、CO₂排出を抑えた、持続可能な社会に向けたクリーンモビリティであり、また静粛性に優れており、街に馴染むエアモビリティです。これから幕を開ける大阪・関西万博では、『日常的に空を移動する未来』を感じていただきたいと思います。」と述べました。
さらに、大阪においては、Osaka Metro様と「新大阪・梅田」「森之宮」「天王寺・阿倍野」「ベイエリア」の4つのエリアを結んだ「大阪ダイヤモンドルート構想」を発表したことを報告し、万博後の社会実装に向けた計画が日本各地で進んでいることを明らかにしました。
「SKYDRIVE(SkyDrive式SD-05型)」の仕様
公開フライトに使用された「SKYDRIVE(SkyDrive式SD-05型)」の仕様は以下の通りです。
- 機体サイズ(全長×全幅×全高): 約11.5m × 約11.3m × 約3m(ローターを含む)
- 最大搭乗人数: 3名(操縦士1名+乗客2名)
- 燃料: バッテリー(電動)
- 最大離陸重量: 1,400kg
- 主要構造材料: 複合材(CFRP)やアルミ合金など
- 最大巡航速度: 100km/h(対気速度)
- 航続距離: 約15km(バッテリのアップデートにより30-40kmに段階的に拡張)
株式会社SkyDriveの概要
2018年7月設立の株式会社SkyDriveは、「100年に一度のモビリティ革命を牽引する」をミッションに、空飛ぶクルマの開発とドローン関連サービスを提供しています。2020年には日本で初めて公開有人飛行試験に成功し、官民協議会の構成員として制度設計にも関与しています。現在3人乗りの機体を開発中で、製造パートナーであるスズキ株式会社と共に、2024年3月からスズキグループの工場にて製造を開始しました。早ければ2026年に型式証明の取得を目指しています。
まとめ
SkyDriveは、大阪・関西万博のメディアデーにおいて、空飛ぶクルマ「SKYDRIVE」の公開フライトを成功させました。 これは、同社が目指す「日常の移動に空を活用する」未来への大きな一歩であり、万博会場でのデモンストレーションは、その実現性を示す象徴的な出来事となりました。 今後の開発と社会実装への取り組みが期待されます。
