大阪・関西万博、持続可能な里山資源を活用:甲州市・オルビスの森の材がリサイクルベンチに採用
2025年、開催された大阪・関西万博において、会場に設置されたリサイクルベンチの木製台座に、山梨県甲州市にある「甲州市・オルビスの森」の材が採用されました。これは、公益財団法人オイスカとオルビス株式会社が10年以上にわたる協働で取り組んできた里山保全活動の成果が、国際的なイベントに貢献する形となったものです。
「甲州市・オルビスの森」は、公益財団法人オイスカ、オルビス株式会社、甲州市、甲州市里山創造推進協議会が2011年に「森林整備協定書」を締結し、整備を開始した約100haの市有林です。かつては公益的機能を果たせなくなっていたこの森林を再生するため、オルビス社員、甲州市民、林業者など、多くの関係者が間伐、植栽、下刈り、歩道整備などに取り組みました。ボランティア活動や専門家の協力を得ながら、経済林としての整備や荒れた森の再生を進め、2017年頃には森林機能の回復を達成。その後は、整備された森林の持続可能な活用方法を模索し、人と自然が共存できる新しい里山管理を目指しています。
この取り組みは高く評価され、令和元年には「ふれあいの森林づくり」国土緑化推進機構理事長賞を受賞しています。
今回、大阪・関西万博で使用される木材は、持続可能性に配慮した木材の調達コードの基準を満たすことが求められていました。「甲州市・オルビスの森」の材は、長年にわたる適切な森林管理の結果、これらの基準を満たすものとして認められ、リサイクルベンチの台座に採用される運びとなりました。
リサイクルベンチ自体には、オルビスのスキンケア容器をリサイクルした素材が使用されています。木材とリサイクル素材を組み合わせたこのベンチは、環境配慮の姿勢を強く打ち出した万博のコンセプトに合致するものです。
公益財団法人オイスカは、1960年代から東南アジアを中心に世界各国で農業技術指導や環境保全活動を行う国際協力NGOです。長年の国際協力活動で培った経験を生かし、国内においても行政機関、企業、地域住民と連携し、森林保全サイクルの再生や地域産業の活性化に取り組んでいます。
オルビス株式会社は、化粧品の製造・販売を行う企業です。「甲州市・オルビスの森」プロジェクトへの参画は、企業としての社会貢献活動の一環として位置付けられています。
「甲州市・オルビスの森」プロジェクトは、持続可能な森林管理と地域社会の活性化、そして環境配慮型製品への応用という、多角的な視点から評価できる優れた事例です。大阪・関西万博での木材採用は、その取り組みの成果を広く社会に示す機会となり、今後の里山保全活動や持続可能な社会の実現に貢献すると期待されています。
【甲州市・オルビスの森について】
甲州市HP(記事掲載当時:https://www.city.koshu.yamanashi.jp/docs/2024043000047/)
【オイスカについて】
【本リリースに関するお問い合わせ】
公益財団法人オイスカ 菅原・家老
Tel:03-3322-5161 E-mail:k-sugawara@oisca.org
会社概要 (オイスカとオルビスの簡単な紹介は本文中に含まれています。)


