2025年大阪・関西万博:パキスタン館「一粒の塩の中に広がる宇宙」
2025年4月13日から10月13日まで開催された2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)において、パキスタンは公式パビリオンを出展しました。パキスタン館は「一粒の塩の中に広がる宇宙(Universe in a Grain of Salt)」をテーマに、パキスタンの豊かな文化と遺産を紹介しました。
ピンクロックソルトの魅力を発信
パキスタン館では、パキスタンのピンクロックソルトが中心的な役割を果たしました。その美しさ、健康効果、そして深い歴史的意義が、パキスタンのアイデンティティを象徴する要素として強調されました。展示は、単なる塩の展示にとどまらず、塩を取り巻く文化的な物語や自然の驚異にも焦点を当て、来場者にパキスタンの奥深い遺産と豊かさを知ってもらう機会を提供するものでした。
パキスタンは、161の国と25の国際機関とともに大阪・関西万博に参加し、革新の精神と経済的可能性を発信しました。パキスタン貿易開発庁(TDAP)が、パキスタンの代表機関として万博への参加を統括しました。TDAPは、2020年ドバイ万博での成功(100万人以上の来場者)を踏まえ、今回も文化の多様性と経済的可能性を鮮やかに表現する展示を目指しました。
五感で楽しむ没入型体験
パキスタン館のデザインは、自然の要素と現代的な美学が調和した空間で、パキスタンの塩の景観の美しさを映し出す没入型の環境を創出していました。来場者は、手作業で作られたピンクロックソルトの柱が立ち並ぶ壮大な空間で、塩の森の中にいるかのような体験をしました。柔らかな光を放つ塩の輝きが空間を温かみのある色彩で包み込み、穏やかで落ち着いた雰囲気を生み出していました。来場者は、塩の展示に直接触れ、感じ、体験することができ、ピンクロックソルトの美しさと多様性を五感で楽しむことができました。
主要展示コンテンツ
パキスタン館では、以下の主要な展示コンテンツが提供されました。
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塩の歴史を描いたスレートウォール: スレートの壁に繊細な手描きのイメージが刻まれ、パキスタンのソルトレンジ(パキスタン北部にある塩の層を含む山脈)の歴史が約8億年前の形成から、アレクサンドロス大王の伝説まで、壮大な物語として表現されていました。
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ヒーリングガーデン: ピンクソルトのロッドで囲まれた癒しの空間で、塩板に腰掛け、蒸気に含まれるミネラルを吸引しながら、心と体を整える静謐な体験を提供していました。手作業で作られたピンクロックソルトの棒で構成された彫刻的な空間が、「ヒーリングガーデン」を形成していました。
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インタラクティブ・タッチスクリーン: アルゴリズムに基づいたデジタルの塩の世界と直接触れ合うことができるデジタル体験型展示でした。スクリーンを通じて、塩の特性や歴史的意義について学び、教育的でありながら魅力的な体験を提供していました。
パキスタンの資源と未来
パキスタン館は、ピンクロックソルトの美しさや重要性を世界に示し、パキスタンをこの貴重な資源の世界的リーダーとして位置付けることを目指しました。また、2025年大阪・関西万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」と調和し、塩を単なる資源としてではなく「いのちの象徴」として提示しました。
パキスタン貿易開発庁(TDAP)について
パキスタン貿易開発庁(TDAP)は、パキスタンの国際貿易を促進・強化することを目的とした、同国における主要な政府機関です。輸出拡大および企業のグローバル市場への進出を支援することを使命としており、貿易振興において重要な役割を担っています。提供するサービスには、市場調査、貿易促進活動、能力開発、ビジネス連携の推進などが含まれています。
まとめ
2025年大阪・関西万博のパキスタン館は、「一粒の塩の中に広がる宇宙」というテーマのもと、ピンクロックソルトを中心とした没入型展示を通して、パキスタンの文化、歴史、そして未来への展望を来場者に提示しました。 パキスタン貿易開発庁(TDAP)の主導の下、成功裏に開催された万博への参加は、パキスタンの国際的な存在感を示すものとなりました。
