大阪・関西万博開幕初日、シグネチャープロジェクトオープニングイベントにて「いのちの遊び場クラゲ館」が世界を繋ぐ協奏を披露
2025年4月13日(日)、大阪・関西万博が開幕し、8人のテーマ事業プロデューサーによる「シグネチャープロジェクト オープニングイベント」が開催されました。本イベントは、万博のテーマ事業を牽引するプロデューサーたちが集結し、万博の目指す未来やその可能性について議論する場となりました。
イベントは第一部と第二部に分かれて開催されました。第一部では、8名のテーマ事業プロデューサーが「いのち」や「50年後の未来」「分断をなくすには?」といったテーマについて活発な議論を交わしました。
続く第二部では、「いのちの遊び場クラゲ館」プロデューサーである中島さち子氏(株式会社steAm 代表取締役)が、「万博が描く未来、そして世界との協奏の可能性」と題したミニトークを行いました。 中島氏は、万博を様々な価値を知るきっかけにしたいという思いから、多くの関係者を招集しました。
ミニトークには、石黒浩氏、落合陽一氏(共にテーマ事業プロデューサー)、万博協会副会長ウスビサコ氏、オーストラリア館代表ナンシーゴードン氏、ヨルダン館代表代行シーファズグール氏、クラゲ館アンバサダー海乃美月氏(元宝塚歌劇団月組トップ娘役)、そして司会を務めた田中泉氏が出席しました。
各登壇者は、万博を通しての未来への展望を語りました。ゴードン氏は過去の文化からの学びと未来創造への重要性を強調し、シーファズグール氏はヨルダンの文化体験を提案しました。ウスビサコ氏は、多くの国が参加するCommons(共同館)に触れ、万博での国際交流への期待を述べました。石黒氏は未来創造への責任を訴え、落合陽一氏はデジタルとアナログの融合、境界を超えた「ヌル」の思想を提示しました。海乃美月氏は、音楽を通じた世界の繋がりを強調しました。中島さち子氏はクラゲ館の紹介を通して、万博における世界各国や多様な立場の人々との協奏の可能性を力説しました。
ミニトークは、万博の意味や可能性を参加者全員で模索する有意義な時間となりました。
KURAGE Bandと山本能楽堂による圧巻のコラボレーションライブ
第二部では、中島さち子氏が率いるKURAGE Bandと山本能楽堂によるコラボレーションライブが行われました。KURAGE Bandは、日本、韓国、チベット、セネガル、カメルーンなど、世界各国の文化や音楽、数学、テクノロジー、アートを融合させたバンドです。落合陽一氏がVJとして参加し、映像演出を手がけました。
ライブでは、韓国太鼓奏者チェジェチョル氏作曲の「あの山を越えて」が、チェ氏と海乃美月氏によって歌われました。その後、チベット音楽家テンジンクンサン氏の歌声と、山本能楽堂による新作能「水の輪」(観世流能楽師シテ方:山本章弘氏)の一部が披露されました。さらに、音楽人類学者矢野原佑史氏によるカメルーンの音楽(バカ族のポリフォニーなど)が加わり、最後は中島さち子氏作曲の「アフリカの夜」で幕を閉じました。大阪府池田市の小中学生3名によるブラス演奏や、クラゲマドラーの参加もあり、会場は熱気に包まれました。
様々な文化や特性が融合した、静寂と激しさ、歌と踊り、演奏と映像が織りなすパフォーマンスは、観客を魅了しました。中島氏が提唱する「創造性の民主化」を実現するための異文化交流、多様な立場・特性(観客を含む)のいのちが生み出す「共創」と「協奏」が、万博初日を飾るにふさわしい、感動的な時間となりました。
山本能楽堂について
山本能楽堂は、1927年に観世流能楽師の山本博之氏によって創立された大阪の能楽堂です。能楽の公演や普及活動を展開しており、2006年には国の登録有形文化財に指定されています。今回の公演では、「水の輪」の一部を演奏しました。「水の輪」は、2025年6月18日、EXPOホール ”シャインハット”にて、多くの子供たちやKURAGE Bandと共に公演予定です。
KURAGE Bandについて
KURAGE Bandは、テーマ事業プロデューサーの中島さち子氏が率いるバンドです。世界中の様々な文化が、鼓動や旋律、音色を通じて協奏します。「歩き、奏でる”くらげJAM”」や輪踊りなどを特徴とし、日常から溢れる音楽を探求し、観客と共に音楽を創造します。テクノロジーも活用し、五感を刺激するパフォーマンスを行います。
いのちの遊び場 クラゲ館について
「いのちの遊び場 クラゲ館」は、大阪・関西万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」を表現するシグネチャープラビオンの一つです。テーマは「いのちを高める」(Invigorating Lives)で、プロデューサーは中島さち子氏です。「いのちが躍る、いのちが歌う、いのちがひらく〜STEAM(*):ワクワクを探す旅へ〜」をコンセプトに、遊びや学び、芸術、スポーツを通して生きる喜びや楽しさを共有し、いのちを高めていく共創・協奏を創出する場です。「創造性の民主化:つくる喜びを全ての人に!」という理念のもと、多様ないのちが出会い、分断を越えて協奏する場を作り、生きること・つくることの喜びや醍醐味、弱さやマイノリティの価値を伝えていきます。
株式会社steAmは、本イベントを開催した企業です。
注記: 本文中のURLは、記事本文に記載されていたものですが、本回答では省略しています。


