大阪・関西万博「いのちめぐる冒険」プロジェクト:鳥取県との連携協定締結で1,000万件の生態系データ収集を目指す
2025年4月30日、2025年大阪・関西万博テーマ事業シグネチャーパビリオン「いのちめぐる冒険」をプロデュースするアニメーション監督・メカニックデザイナーの河森正治氏と鳥取県は、ネイチャーポジティブの実現に向けて相互協力する連携協定を締結しました。調印式には、鳥取県平井知事と河森正治プロデューサーのほか、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会の木下柚奈氏と大阪・関西万博公式キャラクター ミャクミャクが立会人として参加しました。
平井知事は、鳥取砂丘や大山など、鳥取県の豊かな自然環境を強調し、「いきもの探しのフィールドとしての鳥取県を多くの人に見ていただきたい」と述べ、ネイチャーポジティブなアクションへの意気込みを示しました。
河森プロデューサーは、鳥取砂丘や大山、浦富海岸などを訪れた感想として、「鳥取砂丘の自然や普段見ない生態系に驚いた。行く先々で変化に富んでいておもしろい。」と述べ、「シグネチャーパビリオン『いのちめぐる冒険』は、食物連鎖などでいきものが合体・変形していくことをテーマとしているが、ぜひ鳥取の自然とも合体・変形したい。」と連携への期待を表明しました。
連携協定の内容
締結された連携協定の内容は以下の通りです。
(1)大阪・関西万博を契機とした両者が取り組むネイチャーポジティブの実現に向けた相互協力。 (2)鳥取県内の豊かな生き物が生息する大自然をフィールドとした「いきもの探しはデカルチャー」啓発イベントの共同実施。 (3)万博会場や啓発イベント等を通じた、生き物にとって豊かな自然環境である日本や鳥取県の素晴らしさの発信。
万博会場での連携と生態系調査
同日、万博会場内WASSEで開催されたアニメ・マンガツーリズムフェスティバル開会式では、河森プロデューサーと平井知事がテープカットに参加しました。河森プロデューサーは「いのちめぐる冒険」のアテンダントユニフォーム、平井知事はゲゲゲの鬼太郎の出立ちで登場し、会場を盛り上げました。
5月1日からは、万博会場内の「静けさの森」において、「いきもの探しはデカルチャー!」のコラボレーションが開始されました。静けさの森を舞台に、植物や昆虫など「いきもの」を3種投稿すると、静けさの森クエストが達成できる企画です。この取り組みは、静けさの森に生息する多様な生き物の調査を通して、Nature Positive推進に向けた共生を目指しています。
静けさの森での「いきもの探し」には以下の注意事項が設けられています。
- いきもの観察、いきもの探しは舗装通路よりお願いいたします。
- ご通行される方の妨げにならないようご配慮ください。
- 傷みやすい植物や、お足元が危険な場所もございます。植栽帯への立ち入りはお控えください。また、展示されているアート作品にはお手を触れないようお願いいたします。
- お子さまのいきもの観察、いきもの探しは、必ず保護者の方と一緒におこなってください。
1,000万件のデータ収集を目指す大規模生態系調査
共同プロジェクトでは、「いきもの探しはデカルチャー」「生物多様性超みわけランド」の2大企画で会期を通して、1,000万件の生態系データを収集することを目指しています。「いのちめぐる冒険」では、全パートナー・サプライヤー企業と共に生態系観測プロジェクトを実施し、引き続き1,000万件の生態系データ収集を目標に活動を続けます。
関係企業
本プロジェクトには以下の企業が協賛しています。
- コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社
- TOPPANホールディングス株式会社
- くら寿司株式会社
- セコム株式会社
- 大同生命保険株式会社
- ボクシーズ株式会社
- 株式会社サテライト
- 株式会社バイオーム
- ミナミ金属株式会社
- 株式会社箔一
- 株式会社広研
- 鹿島建設株式会社
- 日本通運株式会社
- 株式会社baton
株式会社Vector Vision
「いのちめぐる冒険」プロジェクトを推進する株式会社Vector Visionは、(詳細な企業情報は本文に記載されていません)。
河森正治氏プロフィール
アニメーション監督、メカニックデザイナー、ビジョンクリエーターとして活躍する河森正治氏は、2025年大阪・関西万博テーマ事業プロデューサーを務めています。代表作には『マクロス』シリーズ、『アクエリオン』シリーズ、『天空のエスカフローネ』など多数の作品があります。
本プロジェクトは、大阪・関西万博を舞台に、鳥取県の豊かな自然と連携することで、大規模な生態系調査を実施し、ネイチャーポジティブな社会の実現に貢献することを目指しています。1,000万件という大規模なデータ収集は、今後の生物多様性保全に貴重な知見を提供するものと期待されます。


