セメダイン、弾塑性接着剤「TGA®-3」を開発し大阪・関西万博のシグネチャーパビリオンに採用
セメダイン株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:水澤伸治)は、弾塑性接着剤「TGA®-3」を開発し、2024年開催の大阪・関西万博のテーマ事業「シグネチャーパビリオン」における「EARTH MART」の鉄骨ブレース接合部に採用されたことを発表しました。この「EARTH MART」は、小山薫堂テーマ事業プロデューサーが担当するパビリオンであり、大成建設株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:相川善郎)が施工を担当しています。
革新的な弾塑性接着剤「TGA®-3」
セメダインが設計・提案した「TGA®-3」は、高い剛性と接着強度に加え、延性的な特性を併せ持つ、従来にはない接着剤です。鋼材と同様に、接着破断時に弾性変形後に塑性変形領域を持つことで、粘り強い接合を実現します。
従来の接合方法の課題とTGA®-3の解決策
建設分野では、構造を担う鋼材の接合に、溶接やボルト接合が主流でした。しかし、接着剤を用いた接合は脆性破壊が生じやすく、用途が限られていました。「TGA®-3」は、破壊時に延性破壊挙動を示すことで、急激な接着破断を防ぎ、最大破壊強度を向上させ、信頼性の高い接着接合を実現します。さらに、常温硬化で施工翌日には十分な性能を発揮するため、現場施工にも適しています。
大阪・関西万博「EARTH MART」への適用と効果
大阪・関西万博のシグネチャーパビリオン「EARTH MART」では、「TGA®-3」と高力ボルトを併用するハイブリッド接合を採用しました。その結果、大成建設との共同検証により、接合部面積を20%削減、高力ボルト本数を30%低減できることを確認しました。
今後の展開
セメダインは、「TGA®-3」の適用を建設分野に限らず、自動車、航空宇宙など様々な分野に拡大し、接着接合の新たな可能性を追求していきます。
セメダイン株式会社について
セメダイン株式会社は、「つけるが、価値。」をミッションに、カネカグループの一員として、モビリティ、インダストリー、エンジニアリング、コンストラクション各分野で接着技術を提供し、設計と現場のイノベーションに貢献しています。「高専ロボコン」「小学生ロボコン」への協賛など、ものづくり人材育成にも力を入れています。
まとめ
セメダインが開発した弾塑性接着剤「TGA®-3」は、大阪・関西万博のシグネチャーパビリオン「EARTH MART」の鉄骨ブレース接合部で採用され、接合部面積と高力ボルト本数の削減に貢献しました。高い信頼性と現場施工性を兼ね備えた「TGA®-3」は、今後様々な分野での活用が期待されています。

