大阪・関西万博：鳥取県とサウジアラビア王国館、「サンド・アライアンス」締結 ― 砂を介した国際連携の新たな一歩

2025年5月7日、鳥取県とサウジアラビア王国館は、大阪・関西万博において「サンド・アライアンス」を締結しました。これは、砂をテーマとしたパビリオン同士の連携として、ヨルダン館に続く2カ国目となる協定であり、万博における唯一の砂を通じた複数出展地域間協定です。

鳥取県ゾーン：鳥取砂丘の再現と万博外交

鳥取県は、2025年4月13日に開幕した大阪・関西万博の関西パビリオン内に「鳥取県ゾーン」を出展しています。このゾーンの見どころは、「鳥取無限砂丘」です。国立公園区域外の鳥取砂丘の砂10トンを使用し、鏡で覆われた六角形の室内に敷き詰めることで、鳥取砂丘を再現しています。来場者は虫眼鏡型デバイスを用いて砂の上を歩き、鳥取県の観光資源を探せる体験型の展示となっています。

鳥取県ゾーンの砂の展示がヨルダン館の展示と似ているとSNSで話題になったことを受け、4月23日にはヨルダン館と「サンド・アライアンス」を締結。さらに、この万博外交を推進する中で、サウジアラビア王国館からも賛同を得て、今回の協定締結に至りました。

締結式と両者のコメント

5月7日に行われた締結式には、鳥取県知事の平井氏と、駐日サウジアラビア王国大使であるガーズィー・ファイサル・エス・ビンザグル氏が登壇しました。両者は互いのパビリオンを視察し、「サンド・アライアンス」を締結。

ガーズィー大使は鳥取無限砂丘の砂に触れ、「鳥取砂丘の砂はサウジアラビアの砂と同じ感触」と感想を述べ、虫眼鏡型デバイスも体験しました。「一見目に見えないけれど１つの砂の粒の中にチャンスが隠れているもことがある。そういうチャンスを探して大事にしていくことで強い関係を結ぶことができた」とコメントしています。

平井知事はサウジアラビア王国館を訪問し、「万博は不思議な場所。砂をとおして、始まるまでは予想もしなかったこのような交流の橋をかけることができてうれしい。未来に向けてのスタートをきることができた。」とコメントしました。

協定締結式では、平井知事が「砂だけに“sooner”、とても早く物事が進み、サウジアラビア王国館と結びつきができたことがありがたい。これからも多くの“賛同”（＝サンド）が得られると思いますので、サンド・アライアンスを広げていきたい」と述べ、ガーズィー大使も「お互いにパビリオンを訪問しあえて楽しい時間を過ごすことができた。サンド・アライアンスを次世代に繋げていきたい。」と応えました。友好の証として、鳥取県からは鳥取無限砂丘の砂と鳥取県を代表するアニメキャラクターのぬいぐるみ、サウジアラビア王国館からはサウジアラビア王国の様々な花を使用したアロマキャンドルが交換されました。

鳥取県ゾーンの詳細

鳥取県ゾーンのテーマは、「まんが王国とっとり」、「鳥取砂丘をはじめとする特徴的な自然」、「鳥取の文化がはぐくんだ豊かな食」です。

「まんが王国とっとり」コーナーでは、水木しげる氏、谷口ジロー氏、青山剛昌氏といった鳥取県出身の漫画家の紹介や、関連施設の紹介、海外出版作品、貴重なグッズなどを展示しています。

「鳥取無限砂丘」では、虫眼鏡型デバイスを通して、鳥取県の特産物や観光地、民工芸、キャラクターなどが砂の中に現れ、没入感のある体験を提供しています。時間帯によってはプロジェクションマッピングも実施され、鳥取県の自然や文化をより深く体感できます。

サウジアラビア王国館の詳細

サウジアラビア王国館のテーマは、「進化する都市」から「無限の人間の可能性」、「イノベーションの頂点」までです。日本館に次ぐ広さを誇り、サウジアラビアの歴史、活気、都市生活の変遷、医療、宇宙、エネルギーといった分野における取り組みやビジョンを紹介しています。 700を超えるイベントも開催され、9月23日のサウジアラビア建国記念日やサウジアラビア王国の外交樹立70周年記念日などの重要な節目を祝うイベントなども含まれています。

結論

鳥取県とサウジアラビア王国館による「サンド・アライアンス」締結は、大阪・関西万博において砂という共通のテーマを通じて、国際的な連携を深める新たな試みとして注目されます。この協定が、今後の両者の交流や、それぞれの地域の文化や魅力の発信に大きく貢献することが期待されます。