日本テトラパック、大阪・関西万博で未来の食品システムに向けたイベント開催
2025年5月7日、日本テトラパック株式会社(東京都港区)は、大阪・関西万博の北欧パビリオンにて、「未来の食品システムに向けた取組み」をテーマとした食品・飲料業界向けイベントを開催しました。 食品加工処理機器および紙容器の充填包装システムの大手サプライヤーである日本テトラパックは、本イベントで2035年の食卓を展望し、持続可能な未来に向けた食品システムの構築について議論しました。
イベントには、食品・飲料メーカーの顧客約100名が招待され、午前と午後の2セッションに分かれて開催されました。 世界およびアジア・日本国内の食品システムにおける課題を探り、2035~2040年を見据えたレジリエントで包括的、かつ持続可能な未来の構築に向けた解決策を探る貴重な機会となりました。 イベントでは、2035年の食卓を体験・試食するセッションも設けられました。
持続可能な未来に向けた共創とイノベーション
テトラパック マーケットオペレーション部 執行副社長 タチアナ・リセティは、オープニングメッセージで、世界中の食品業界が直面する環境規制、エネルギーコストの上昇、サプライチェーンの課題といったグローバルな課題の緊急性を訴えました。 食品システムの変革において「共創とイノベーション」が重要な役割を果たすことを強調し、テトラパックが持続可能なソリューションのリーダーとして取り組みを続ける姿勢を改めて表明しました。
2035年の食卓:未来の食品システムを体験
シンセシス社 ヘッドオブフューチャーズ キア・ハラジ氏とRe:Growth社 創業者 兼 シェフ オリバー・トゥルスデル・ジュトラス氏は、高齢化社会などによる人口動態の変化や、「食による健康管理」需要の拡大、土壌劣化による食品栄養価の低下による将来の食料・栄養不足を踏まえ、2つのシナリオを提示しました。
一つ目は、自然の恵みを享受し続けるために持続可能な取り組みを徹底して実践するアプローチ。もう一つは、科学技術革新による自然以外からの食料の確保を確立するアプローチです。 いずれのシナリオにおいても、「危機」と「好機」は表裏一体と捉えることで創造力が発揮され、革新的なアプローチが生まれると主張しました。
参加者は、創造力や技術を活用した新たな食材や調理法、そして持続可能性の価値観が反映された「2035年の食卓」の試食を通じて、未来の食品システムの一端を体験しました。
多角的視点からの未来の食品システム考察
イベントでは、食の政策、小売、テクノロジーの専門家によるプレゼンテーションが行われ、未来の食品システムが直面する課題と可能性についての洞察が共有されました。
フードインダストリーアジア CEO マット・コバック氏は、「2040年に向けたレジリエントな食品システム」と題し、基調講演を行いました。日本およびアジアの食品システムが直面する法規制の複雑化、資源の制限、2040年を見据えたレジリエンスの必要性などを指摘し、バリューチェーン全体における協力の重要性を強調しました。
アマゾンジャパン合同会社 消費財事業本部 食品飲料事業部 兼 酒類事業部 事業部長 吉田有美氏は、「持続可能な食品システムにおける小売りの役割(eコマースの観点より)」と題し、eコマースの視点から持続可能な食品システム構築への取り組みを紹介しました。冷凍食品事業「クールマルシェ」の拡大や、配送梱包の最適化による資材使用量の削減、テトラパックと連携して実施したロングライフ紙パック飲料・食品特集などを挙げ、持続可能性と利便性を両立する革新の重要性を強調しました。
テトラパック コーポレートアフェア部 執行副社長 エイヤ・ヒエタヴオは、「共に食品システムを変革する」と題し、グローバルおよび日本の食品・飲料メーカーが直面している課題について言及し、テトラパックが描く未来の食品システムの変革ビジョンとソリューションを紹介しました。持続可能な酪農、代替食品、食品ロス削減に向けた取り組みなどについて、オートメーション、デジタル化、スマート製造の力を活用した事例を交えて解説しました。
サステナブルな未来へ、ともに行動しよう
クロージングで、日本テトラパック 代表取締役社長 ニルス・ホウゴーは、日本や世界が抱える高齢化社会と労働力の減少という現実に対応するためには、自動化・デジタル技術の導入が不可欠であると述べました。レジリエンスな食品システムの実現には、イノベーションと協働、そしてシステム全体の変革が必要であると強調し、持続可能性がバリューチェーン全体に組み込まれる必要があると述べました。テトラパックは安全で持続可能な食品システムの実現に向けた支援を継続していくと締めくくりました。
テトラパックについて
1951年にスウェーデンで誕生したテトラパックは、食品加工処理と紙容器充填包装システムの世界的なリーディング・カンパニーです。世界160カ国以上のお客様のニーズを満たすため、安全で栄養価の高い食品を提供しています。世界中に24,000名以上の従業員を擁し、「大切なものを包んでいます (PROTECTS WHAT’S GOOD) ™」というモットーのもと、食品、人々、そして地球を守っています。テトラパックは、テトラパックグループの商標登録です。日本テトラパックは、2025年大阪・関西万博 北欧パビリオンのプラチナスポンサーに就任しました。
まとめ
本イベントは、2035年以降の食品システムのあり方を探る上で、多様な専門家の知見を共有する貴重な機会となりました。 持続可能性、イノベーション、そしてバリューチェーン全体での協調が、未来の食品システム構築における重要な要素であることが改めて強調されました。 日本テトラパックは、今後もこれらの要素を重視し、持続可能な食品システムの構築に貢献していく姿勢を示しました。


