中国の名酒・茅台、大阪万博で「書簡長巻」記念酒を発表 卓球レジェンド松崎君代氏が万博で温かな縁を証言
2025年、大阪・関西万博において、中国の名酒・茅台(マオタイ)が「書簡長巻」をモチーフにした記念酒を発表しました。貴州茅台酒進出口有限責任公司による発表によると、この記念酒は、茅台がパナマ万国博覧会(1915年)、上海万博(2010年)、そして大阪・関西万博(2025年)と、歴史に刻まれた三つの重要な万博に関わってきたことを象徴するものです。
百年にわたる万博の歴史と、茅台の長い旅路が、今回の記念酒に凝縮されています。1915年のパナマ万国博覧会では、茅台の独特の香り(醤香)で世界を驚かせ、世界三大蒸留酒の一つとして名を馳せました。2010年の上海万博では、唯一の高級白酒スポンサーとして、歴史的意義を持つ記念酒を発表しています。
2025年大阪・関西万博では、中国パビリオンが「書簡」の造型を採用していることに合わせ、茅台は礼器の象徴的意味を付与され、中華の知恵と五千年の中華文明を満たす聖なる盃と見なされています。6月5日に行われた「茅台テーマデー」では、「大阪2025:茅台、世界との110年」をテーマに、歴史の絵巻のような演出が行われました。ホログラム映像には赤水河流域の雲霧が漂い、無形文化遺産の継承者が古来の醸造技術を実演。中国国家級無形文化遺産のトン族大歌が幕開けを飾り、貴州省の無形文化遺産の独特な魅力が示されました。
中国パビリオン内には、全長13メートルに及ぶ巨大なLEDスクリーンが設置され、茅台の産地である赤水河流域の自然環境と、千年にわたる醸造の技法が紹介されました。「この地を離れては、稀代の名酒を醸し難い」という真理が力強く示されています。スクリーンの手前には、「1915年」、「2010年」、「2025年」という三つの展示ケースが配置され、「茅台110年の万博の旅」を物語っています。
ビジョンインタラクティブ展示エリアには、高さ3メートルの茅台酒の酒かすをリサイクルした再生紙でできたアートオブジェが設置され、「自然と共に生きる」という中国パビリオンのテーマを体現しています。このオブジェは、展覧会終了後、茅台によって永久に収蔵されます。
「時空を超えた手紙」と題された展示では、三つの言語で構成された封筒の壁に、茅台の歩みが丁寧に描かれ、世界へ羽ばたく願いが表現されています。会場には、卓球界の名将・松崎君代氏をモチーフにしたレリーフがあり、彼女の手にしたラケットと茅台の酒壺が、半世紀を超える温かな友情の記憶を刻んでいます。松崎氏は1961年に周恩来総理から茅台を贈られた思い出を振り返りました。
2025年大阪万博の茅台記念酒「百年の万博、香りが世界へ」は、「人と自然は命の共同体」という思想に基づき、「書簡」を模したデザインとなっています。瓶の胴体部分には篆書で書かれた『論語』が刻まれ、蓋のデザインは大阪万博中国パビリオンから着想を得ています。ギフトボックスには、タイムラインのデザインと回転可能な「書簡」モデルが組み込まれ、茅台と万博との百年にわたる歴史が表現されています。山水を模した金属製の台座は「天人合一」という思想を伝えています。これらのデザインは、茅台の持続可能な発展およびESGへの取り組みを表しています。
茅台は、大阪万博において「グリーン、サステナブル、多文化共生」というESG思想を基に、「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマに中国の視点を加えています。赤水河流域における生態系保護の知恵と大阪湾の環境保全の理念の出会いを示し、「天人共醸」という哲学の現代的な解釈を示しています。
「茅台テーマデー」の夜には、旧大阪市公館にて、「東方の匠・山海共賞」をテーマとする「茅台ナイト」国際歓迎晩餐会が開催され、上海の思南公館にある茅台体験スペースとライブ中継で結ばれました。
大阪・関西万博という重要な時点において、茅台は新たな文化の物語を語り、ブランドの本質を更新しようとしています。「茅台ナイト」は、文化を媒体とし、世界中で中華文化を広め、中華文明が世界文明の重要な語り手へと変貌を遂げる過程を示しています。中国の優れた職人技と世界の未来像が盃の中で交わることで、中華文明が人類運命共同体の構築に参画する姿が表現されています。