2025年日本国際博覧会を契機とした「地方創生2.0」：地域と世界の国際交流
2025年日本国際博覧会（以下、大阪・関西万博）を契機に、地域と世界の国際交流を推進する取り組みが活発化しています。本記事では、「2025年日本国際博覧会とともに、地域の未来社会を創造する首長連合」が推進する、万博会場での地域の子どもたちと世界の国々との交流事例をご紹介します。
万博首長連合による地域国際交流の推進
「2025年日本国際博覧会とともに、地域の未来社会を創造する首長連合」は、会員自治体と万博参加国との地域国際交流を推進しています。混沌とする国際情勢や地域課題の多様化といった地球規模の課題に対し、国境を越えた相互協力による発展を目指し、「いのち輝く未来社会のデザイン」を実現したいと考えています。
一般社団法人ホストタウンアピール実行委員会の協力のもと、内閣官房国際博覧会推進本部事務局が推進する「万博国際交流プログラム」と連携し、万博開催を契機とした地域活性化に取り組んでいます。既存交流の活性化や新たな交流を通じて、地域の子どもたちの育成、地域の魅力発信、経済交流の強化など、万博開催後も地域に残るレガシーとなる取り組みを促進しています。
地方創生2.0のモデル事例：大分県杵築市と北海道東神楽町
本記事では、大分県杵築市と北海道東神楽町の万博参加国との国際交流事例をご紹介します。これらの事例は、日本の地域創生のモデルとして広く発信されることが期待されています。
大分県杵築市 × ジンバブエ・ブルンジ
杵築市出身の坪井達史氏は、JICA稲作上級技術アドバイザーとしてアフリカ各国で食糧事情改善に30年間貢献し、ネリカ米の普及に尽力されました。ニューズウイーク誌（日本版）の「世界が尊敬する日本人100人」にも選出されています。
このご縁から杵築市は内閣官房国際博覧会推進本部事務局の万博国際交流プログラムに参加し、ジンバブエとブルンジとの交流を深めています。坪井氏の活動が市内の小中学生に広く知られるようになり、日本国際博覧会協会副会長であるウスビ・サコ氏や在日アフリカ人ネットワークジャパン（ADNJ）の皆様が市を訪問し、市内小中学生と交流を行いました。
2025年6月15日のブルンジのナショナルデーには、市内小中学生45名が万博会場を訪れ、ブルンジとジンバブエの皆様と交流します。万博会場という未来と世界を感じる空間で、子どもたちは広い視野で郷土を捉え直し、国際的な交流機会を得ます。
さらに、7月16日のジンバブエのナショナルデーや、ジンバブエパビリオンで栽培されているネリカ米の9月の収穫祭など、万博開催期間を通じて杵築市と世界とのつながりが深まることが期待されます。
北海道東神楽町 × ケニア
万博会場の大屋根リングの設計者である藤本壮介プロデューサーは東神楽町出身です。この繋がりから、東神楽町では子どもたちに万博会場を体感してもらいたいと考え、ケニアとの万博国際交流を実施しています。
東神楽町は「花のまち」として活動しており、花産業や山、自然の豊かさなど、ケニアとの共通点が多いことから交流が進められています。
2025年6月24日のケニアのナショナルデーでの交流、6月29日の東神楽町のフラワーフェスタへのケニアの皆様の参加、7月にはケニア大使の東神楽町訪問が予定されています。
8月には東神楽町の子どもたちが万博会場を訪れ、ケニアとの交流を行います。大屋根リングから世界とのつながりを体感することで、日本の地域と世界がつながる機会となることが期待されます。
万博首長連合主催イベント「Resolution of LOCAL JAPAN展」
万博首長連合は、2025年7月28日から31日まで大阪・関西万博会場施設WASSE南側で、「Resolution of LOCAL JAPAN展 ～地域が創る日本と地球のいのち輝く未来〜」を実施します。全国43地域が参加するこのイベントは、地域の魅力を五感で体験できる機会を提供します。
お問い合わせ先
- 万博首長連合事務局：URL：https://mayoralalliance.jp/contact/
- 一般社団法人ホストタウンアピール実行委員会事務局：TEL：050-9000-5887、メール：[email protected]
- （一社）ホストタウンアピール実行委員会：TEL：090-9250-2109
一般社団法人ホストタウンアピール実行委員会について
地方創生、地域の活性化を目的とし、「ホストタウンアピールプロジェクト」を実施しています。大阪・関西万博を契機に、スポーツを起点としたホストタウン交流で培ったノウハウを拡張し、地域と世界が共創する持続可能な世界を目指しています。URL：https://hosttown.jp/
万博首長連合について
大阪・関西万博を契機に設立された全国の自治体のネットワークです。地域の魅力を日本中、世界中に発信することを目指しています。URL：https://mayoralalliance.jp/
まとめ
2025年日本国際博覧会は、地域と世界の国際交流を促進する絶好の機会となっています。万博首長連合の取り組みは、万博開催後も続く地域活性化のモデルケースとして、注目を集めています。杵築市と東神楽町の事例は、その具体的な成功例として、今後の地方創生に大きな示唆を与えてくれるでしょう。
