ZOZO NEXTとPoiesis Labs、大阪・関西万博で“音を発するニット”を初公開
2025年7月14日(月)から7月20日(日)まで開催された大阪・関西万博において、株式会社ZOZO NEXTとPoiesis Labs合同会社は、共同開発した「ニットファブリックスピーカー」を用いた体験型インスタレーション「紋響」を関西パビリオン京都ゾーン「ICHI-ZA KYOTO 一座きょうと」(東ゲートゾーン 自治体パビリオン E01-01)にて展示しました。関西パビリオンへの入場は予約・抽選制でした。
禅の世界を体感する革新的な音響インスタレーション「紋響」
「紋響」は、禅をテーマに、ニットファブリックスピーカーを用いた空間設計によって来場者に新たな体験を提供するインスタレーションです。ZOZO NEXTとPoiesis Labsが共同開発したニットファブリックスピーカーは、立体的な編み技術と先端音響技術を融合させた、テキスタイル自体から音を発する革新的な技術です。
ニットファブリックスピーカーの3つの特長
このニットファブリックスピーカーには以下の3つの特長があります。
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圧電性フィルムを組み込んだニットファブリックスピーカー: 株式会社島精機製作所の先端編み技術を用いて、伸縮性のある糸を精密に配置し、様々な和柄をあしらった立体的なニット生地を開発しました。この生地に圧電性フィルムを組み込むことで、音の指向性を自在に設計できる特殊なテキスタイルを実現しています。
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透明電極を使用したニットファブリックスピーカー: 透明電極を使用したフィルムスピーカーと透け感のあるテキスタイルを組み合わせることで、空間と調和したスピーカーを実現しています。
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多点制御技術による立体音場の生成: 複数の部位を同時に制御・振動させることで、立体的な音場を生成し、「音が布から湧き上がる」ような、新しい没入感を創出しています。
展示概要
- 展示名: 紋響
- 開催期間: 2025年7月14日(月)~7月20日(日)
- 会場: 大阪・関西万博内 関西パビリオン京都ゾーン「ICHI-ZA KYOTO 一座きょうと」(東ゲートゾーン 自治体パビリオン E01-01)
関連企業からのコメント
ZOZO NEXT MATRIX本部 IoT/Textile部 ディレクター・中丸 啓氏:
ZOZO NEXTでは、ファッションとテクノロジーの融合により、素材や表現の可能性を広げる研究開発を進めています。本プロジェクトでは、編みと素材技術を組み合わせた“ニットファブリックスピーカー”を開発しました。生地の特性に合わせた視覚と音響特性を実現しています。ぜひ会場で禅を題材とした空間をご体感ください。
Poiesis Labs CEO・福原 志保氏:
インスタレーション「紋響」は、禅の静寂を体験する新たな空間です。高度な編み技術が生んだ立体和紋柄ニットは、身体と深く響き合うテキスタイルです。一枚一枚が独自の構造で空気を震わせ繊細な音を奏で、布に触れ耳を澄ますとき、その微細な振動は身体感覚を媒介として、まるで自己の存在の芯に触れるように静かに伝わります。穏やかな響きとテキスタイルの柔らかな質感に包まれながら自己の内面と対話する体験をお楽しみください。
協力企業
- 株式会社島精機製作所: レース調で透け感のある「パンチレース柄」が編成可能なホールガーメント®横編機「SWG®-XR」をはじめ、立体柄の「エンボスニット」など複雑な編み地を編成できる「N.SVR®」を活用し、複合素材を使った多様な編み地の製作を実現しました。
- HUMAN AWESOME ERROR: 触覚と聴覚の統合を元に、体験のコンセプトとプロデュースにて参加しました。
企業概要
株式会社ZOZO NEXT: 「Create the Future of Fashion and the NEXT Big Thing.」をミッションに掲げ、ファッション領域におけるユーザーの課題を想像しテクノロジーの力で解決することで、より多くの人がファッションを楽しめる世界の創造を目指しています。「ZOZO研究所」や「MATRIX」などでR&Dをおこなっています。
Poiesis Labs合同会社: 京都を拠点に「共感」と「循環」をキーワードに、共感経済と循環文化を創る会社です。アーティストや技術者らが協業し、ものごとを多角的に捉え、表面的な事象の奥に潜む本質的な意義や繋がりを見つめ、人と世界の深い繋がりを創造します。「紋響」ではコンセプトとデザインを担当しました。
本展示は、先端技術と伝統的な技術、そして禅の精神性が融合した、新たな体験を提供する試みとなりました。 ZOZO NEXTとPoiesis Labsの今後の活動にも注目が集まります。
