2025年大阪・関西万博で体感する革新的メディアアート「Zero Gravity Art」
2025年4月13日から10月13日にかけて開催される2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)において、NTアソシエイツ、TOPPANホールディングス、島津製作所の3社によるコンソーシアム「Zero Gravity Art」が、未来社会ショーケース事業「フューチャーライフ万博・フューチャーライフエクスペリエンス」に協賛し、メディアアート作品を常設展示します。
未来社会の実験場:大阪・関西万博と「Zero Gravity Art」
大阪・関西万博は、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに掲げ、世界80億人がアイデアを交換し、世界中の課題やソリューションを共有できるオンラインプラットフォームを立ち上げるなど、「未来社会の実験場」としての役割を担います。この万博に協賛する「Zero Gravity Art」は、産学共同研究の成果を結集した革新的なメディアアート作品を通じて、来場者に未来社会への示唆を与えます。
産学連携による創造:TOPPAN、島津製作所、そして京都大学
「Zero Gravity Art」は、京都大学防災研究所アートイノベーション産学共同研究部門教授・土佐尚子氏をアーティストに迎え、TOPPANホールディングス株式会社と株式会社島津製作所がその技術を結集して実現したプロジェクトです。
TOPPANホールディングスは、長年培ってきた印刷テクノロジーを発展させ、生活者に向けた新たな価値を創造する先端的表現技術を開発しています。特に、バーチャルリアリティー技術と様々な表現・演出技術を組み合わせたプラットフォーム開発に注力しており、未来を事前に視覚的に確認・体感できる技術を提供しています。
島津製作所は、2020年にマルチデバイス生体計測システム「HuME(Human Metrics Explorer)™」を開発しました。このシステムは、心拍、心電、筋電位、脳波、視線、発汗、姿勢、瞳孔径など、複合的な生体情報を計測する技術を基盤としています。特に、「Zero Gravity Art」では、人間の創造性とアートの関係性を科学的に評価する共同研究に用いられています。これまでの研究では、心拍変動指標や前頭前野の脳波を解析し、アート作品鑑賞時には覚醒かつリラックスという特殊な状態にあることを示唆する結果が得られており、その一部は国際学術誌「Medical Research Archives」(2024年11月30日付)に掲載されました。また、近赤外光を用いた脳機能計測装置も提供しています。
土佐氏とTOPPANホールディングスは2019年より、アートと最先端テクノロジーを組み合わせたイノベーティブな社会的価値創造を目指す「アートイノベーション産学共同研究(トッパン)部門」を京都大学に設置し、研究を進めてきました。さらに、土佐氏と島津製作所は2022年より、生体情報計測技術を用いて、人間の創造性とアートの関係性を科学的に評価する共同研究を続けています。
「Zero Gravity Art」:生命の誕生と未来への感性体験
「Zero Gravity Art」は、近未来における宇宙への旅立ちをテーマに、無重力空間における胎児のような感覚を来場者に提供する作品です。多くの人から提供された産声と心音を用いて無重力下で制作された映像「Sound of Ikebana」で構成され、羊水の中にいるような微小重力体験空間を提供します。
体験後には、島津製作所の脳計測技術「NIRS」を用いて、アートによる脳活動の反応を視覚的に確認できます。さらに、TOPPANグループの最先端VR技術を用いたゴーグルを通じて、微小重力アートを疑似体験することで、人間の感覚と創造性を新たな次元へと導きます。
この作品を通じて、来場者は21世紀におけるアートの役割の変化、そしてアートが創造性を育み、その効果を測定できる新しいパラダイムを体感します。
「フューチャーライフエクスペリエンス」:未来の暮らしへの提言
「Zero Gravity Art」は、「フューチャーライフエクスペリエンス」の一環として展示されます。「フューチャーライフエクスペリエンス」は、「未来の食」「未来の文化」「未来のヘルスケア」など、未来の暮らしに関わる提言を発信する場であり、体験型の動態展示を通じて、来場者に未来社会へのビジョンを示します。
開催概要
名称: 2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)
開催場所: 大阪市此花区夢洲
開催期間: 2025年4月13日(日)~ 10月13日(月)
協賛内容: 未来社会ショーケース事業 フューチャーライフ万博・フューチャーライフエクスペリエンス 常設展示 「生命の誕生」と「生命の未来」を体感するアートインスタレーション「Zero Gravity Art」
まとめ
「Zero Gravity Art」は、産学共同研究の成果を結集し、最先端技術と芸術表現を融合させた、2025年大阪・関西万博における注目すべき展示です。来場者は、この作品を通じて、未来社会への新たな視点と、アートが持つ可能性を深く体感できるでしょう。


