リトアニア、2025年大阪・関西万博にて7月6日(日)ナショナルデー記念式典と文化コンサートを開催!
2025年7月6日(日)、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の「EXPO ナショナルデーホール『レイガーデン』」において、リトアニア共和国(以下、リトアニア)による「ナショナルデー記念式典」が開催されました。本式典は、リトアニアの豊かな文化、伝統、創造性、そして未来へのビジョンを世界に発信する機会となりました。
リトアニアの文化と芸術、未来への思索を世界へ発信
式典は、国旗の掲揚から始まり、音楽パフォーマンスやパビリオンでの展示・交流イベント、そして午後の特別コンサート「MKC Lab – 音と映像でよみがえるチュルリョーニスの世界。」まで、一日を通して多彩なプログラムが展開されました。 ライモナス・ルディス リトアニア共和国官房長官率いる政府代表団、および駐日リトアニア共和国大使 オーレリユス・ジーカス閣下の出席が予定通り実現しました。
7月6日(日)リトアニアナショナルデー 当日プログラム詳細
① 11:00~ リトアニア ナショナルデー記念式典
場所:EXPO ナショナルデーホール「レイガーデン」
国旗の掲揚と音楽パフォーマンスで華やかに幕を開けました。
② 16:00~ 特別コンサート「MKC Lab – 音と映像でよみがえるチュルリョーニスの世界。」
場所:EXPO ナショナルデーホール「レイガーデン」
リトアニア文化を象徴する特別コンサートとして開催されました。
③ 20:00~ リトアニア国家 斉唱
場所:大屋根リング
リトアニア代表団および在日リトアニア人による国歌斉唱が行われ、団結と国家への誇りを示しました。これは20年近く前から続く伝統です。
万博会場の各所では、文化・芸術・音楽を通じてリトアニアの魅力を体験できる催しが展開されました。バルトパビリオンでは公式マスコット「バラビちゃん」が来場者をお迎えしました。
チュルリョーニス生誕150周年を記念した芸術プログラム
今回のナショナルデー文化プログラムは、リトアニアを代表する芸術家ミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニス(M.K. Čiurlionis)の生誕150周年を記念して開催されました。チュルリョーニスは象徴主義に基づいた独自の芸術表現を確立し、約400曲の楽曲と約300点の絵画・グラフィック作品を残しました。彼の作品は19世紀末から20世紀初頭の芸術的革新の象徴であり、リトアニア文化の精神的支柱として現在も影響を与え続けています。
リトアニアコミッショナージェネラル リナ・アンタナヴィチエネ氏は、「本芸術プログラムは、ビジョンを“継続的なプロセス”として捉える考えから生まれました。M.K.チュルリョーニスのビジョンは、観客に変化の一貫性や、リトアニアと日本、音楽と芸術、言葉と声の間の非凡な流れを感じさせるものとなるでしょう。彼のビジョンは、クラシックと現代の音楽、多様な表現、人間と内面世界との繋がりを紡ぐ文化的架け橋となるのです。」と述べています。
特別コンサート「MKC Lab – 音と映像でよみがえるチュルリョーニスの世界。」詳細
16時からの特別コンサート「MKC Lab – 音と映像でよみがえるチュルリョーニスの世界。」は、リトアニアの豊かな表現力と現代的な芸術性を発信する文化プログラムでした。プログラムはチュルリョーニスの作品にインスピレーションを得て構成され、彼の宇宙、世界、そして社会の未来を見つめる視点を現代に継承する試みでした。音楽、芸術、言葉、声、そして日本とリトアニアの文化の交流が織りなす、変化し続ける繋がりを観客は五感で体感しました。
コンサート出演者と楽曲構成
コンサートには、ペトラス・ヴィシニャウスカス(サクソフォン)、ペトラス・ゲニューシャス(ピアノ)、アイステ・ブルジャイテ(カンクレス)、ユスタス・クリカウスカス(チェロ)などのリトアニア人アーティストに加え、高尾徹氏(姫路出身のカリヨン奏者)とカロリナ・ユオデリテ氏(リトアニア出身のオルガニスト)による日・リトアニア両国の文化を融合したコラボレーションが実現しました。
演奏された楽曲にはチュルリョーニスの作品に加え、ファウスタス・ラテーナス、ニヨレ・シンケヴィチューテ、キプラス・マシャナウスカス、ユスタス・クリカウスカスなどの現代リトアニア作曲家、そして日本の作曲家・宮城道雄氏の作品も含まれていました。様々なアーティストがジャンルの垣根を越えて集い、リトアニアの活気と創造性を世界に発信しました。
リトアニア共和国と日本の関係、及び「大阪の森 – 絆(Kizuna Osaka Forest)」プロジェクト
リトアニアと日本は、民主主義、法の支配、人権尊重といった価値観を共有する戦略的パートナーです。「2023〜2025年戦略的パートナーシップ行動計画」を通じて関係強化を図っています。この計画には、政治・経済協力、安全保障対話、科学技術・イノベーション、文化、人的交流など、幅広い分野での協力が含まれています。リトアニアは日本をアジア地域における重要なパートナーと位置付け、インド太平洋戦略を採択しています。
ラトビアとリトアニアが共同出展するバルト館では、「大阪の森 – 絆(Kizuna Osaka Forest)」プロジェクトとして、来場者が仮想空間で白樺やトウヒの苗木を植える「バーチャル植樹」体験を提供しました。植えられた木は後日、ラトビアおよびリトアニアの森林に植樹されます。ライモナス・ルディス リトアニア共和国官房長官は、このプロジェクトについて「ひとつひとつの木が、私たちが共有する地球の未来に対する責任の象徴」と述べています。
リトアニアは1937年の国際博覧会への初参加以来、独立回復後の全ての万博に継続して参加しており、今回の大阪・関西万博ではラトビアと共に「バルトパビリオン」として出展し、40万人以上の来場者を迎えています。
まとめ
2025年7月6日、リトアニアは大阪・関西万博において、ミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニス生誕150周年を記念した盛大なナショナルデー記念式典と文化コンサートを開催しました。 リトアニアの文化と芸術、そして未来へのビジョンを世界に発信する、成功裏に終わった一日となりました。


