- 「Co-Design Challenge Pitch #4」イベントレポート:デザイン × ものづくりで日本の新しい価値を世界に広げる――これからの日本のくらしをつくる22の挑戦――
2025年9月4日(木)、大阪・関西万博会場内のフューチャーライフヴィレッジ(FLV)にて、「Co-Design Challenge Pitch #4 ― デザイン × ものづくりで日本の新しい価値を世界に広げる これからの日本のくらしをつくる22の挑戦 ―」が開催されました。公益社団法人2025年日本国際博覧会協会が展開する「Co-Design Challenge」プログラム(CDC)の一環として行われた本イベントでは、CDC参加事業者が、開発したプロダクトに込めた想いや社会課題へのアプローチ、未来への展望を発表しました。
4事業者が登壇、デザインとものづくりで社会課題に挑戦
ナビゲーターの小西利行氏と倉本仁氏を迎え、株式会社colourloop、カナデビア株式会社、一般社団法人サスティナブルジェネレーション、株式会社ドッツアンドラインズの4事業者が登壇しました。各事業者は、それぞれが取り組む社会課題と、その解決に向けたプロダクト開発について発表しました。
株式会社colourloop:廃棄繊維のアップサイクル
京都工芸繊維大学発のベンチャーである株式会社colourloopのCEO、内丸もと子氏は、年間9200万トン(日本国内200万トン)にも上る廃棄繊維のリサイクル率が低い現状を説明しました。色を基準とした繊維の分別・循環システムを開発し、廃棄衣料由来のベンチを「abode」と「ナカノ」との共同開発で制作。京都の家具職人の技術による高品質なベンチは、フューチャーライフヴィレッジに設置され、着られなくなった衣類を新たな価値へと生まれ変わらせる取り組みを象徴しています。内丸氏は、豊かで楽しい循環社会の在り方を提言したいと語りました。
カナデビア株式会社:スマート回収箱とスマートフォンアプリによる資源循環
2024年10月に社名変更したカナデビア株式会社からは、小田切宏氏が登壇。フードトラックで使用される食器類を回収するスマート回収箱と、子ども向け資源循環学習アプリ「しまじろうとSDGsを考える。」を紹介しました。スマート回収箱は、センサーで内容物を計測し、回収通知メールを送信する仕組みです。アプリは4つのゲームで楽しみながら資源循環を学べる設計となっており、大栄環境、大栄環境総研との連携で実現しました。小田切氏は、デザインとものづくりの難しさ、そして改良を続ける現状を説明しながら、資源循環に貢献するスマート回収箱とアプリをPRしました。
一般社団法人サスティナブルジェネレーション:段ボールの可能性を示す展示台
一般社団法人サスティナブルジェネレーションの理事である髙木美香氏(株式会社高木包装社長)は、奈良の歴史を地域創生につなげる取り組みの一環として、軽量・高強度でデザイン性に優れた強化段ボール製展示台を紹介しました。プラスチックや金属を一切使用せず、リサイクル可能なこの展示台は、フューチャーライフヴィレッジ内に14台設置され、様々な団体の発表に使用されています。髙木氏は、持続可能な付加価値のある製品を世界に発信できた手応えを語りました。
株式会社ドッツアンドラインズ:廃棄物を出さない椅子づくり
株式会社ドッツアンドラインズの代表取締役、齋藤和也氏は、「燕三条」地域を拠点とする8社の分業体制とJR東日本との連携で制作したチタン製椅子を紹介しました。折り紙発想による一枚板構造で、軽量かつ高強度を実現。歩留まり99%を達成し、フューチャーライフヴィレッジのTEステージに設置されています。齋藤氏は、万博後も歩留まり100%を目指し、地域回遊と産業観光の定着にもつなげていきたいと意気込みを語りました。
共創による手応えと未来への展望
イベント後半では、ナビゲーターと登壇者によるパネルディスカッションが行われました。各事業者は、共創の重要性やデザインの価値、今後の取り組みについてそれぞれの熱い思いを語りました。小西氏は今後の更なる挑戦を激励し、倉本氏はプロジェクトへの感謝を述べました。
Co-Design Challenge Pitch #5 の開催
Co-Design Challenge Pitchは全5回の開催を予定しており、最終回となる第5回は、2025年9月22日(月)にFLV TEステージ棟で開催されます。ナビゲーターは齋藤精一氏と矢島進二氏、登壇事業者はコクヨ株式会社、&SPACE PROJECT、株式会社友安製作所が予定されています。
Co-Design Challenge Pitch #5 登壇事業者紹介
- コクヨ株式会社: 国産材、地域材を活用した木製ベンチの制作。森林環境問題への啓発も目的としています。
- &SPACE PROJECT: 宇宙ロケットの開発廃材を利用したアップサイクル家具「宇宙タンクベンチ」の展示。宇宙産業への関心を高める取り組みです。
- 株式会社友安製作所: 端材と廃材を活用した中庭スツールとテーブルの提供。ものづくり体験を通して地域の資源を活用する取り組みを紹介。
2025年大阪・関西万博について
2025年4月13日から10月13日まで開催されている大阪・関西万博は、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに掲げています。「いのちを救う」「いのちに力を与える」「いのちをつなぐ」という3つのサブテーマのもと、未来社会に向けた取り組みが進められています。
Co-Design Challengeプログラムについて
Co-Design Challengeプログラムは、大阪・関西万博を契機に、「これからの日本のくらし(まち)」を改めて考え、新たなモノを万博で実現するプロジェクトです。万博という機会を活用し、社会課題の解決や未来社会の実現を目指しています。 本プログラムは、Expo Outcome Design Committeeの監修のもと実施され、2回の募集を経て、22のプロジェクトが万博会場に実装されています。
まとめ
「Co-Design Challenge Pitch #4」では、デザインとものづくりを通じて社会課題の解決に挑む4事業者の取り組みが紹介されました。各事業者の熱意と革新的なプロダクトは、万博という舞台を通じて、未来社会への貢献に繋がる可能性を示唆しています。今後のCo-Design Challengeプログラム、そして大阪・関西万博全体の展開にも期待が高まります。




